もやもやレビュー

模倣的な主婦の怒りが殺意に『シリアル・ママ』

シリアル・ママ [Blu-ray]
『シリアル・ママ [Blu-ray]』
ジョン・ウォーターズ,キャスリーン・ターナー,サム・ウォーターストーン,ミンク・ストール,リッキー・レイク
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過激で下品なコメディを多く発表し、「バッド・テイスト」文化に影響を与えてきたと言われているジョン・ウォーターズ監督。彼の中でも私の一番のお気に入り作品を今回はご紹介。『白いドレスの女』などのキャスリーン・ターナーが主演を務める『シリアル・ママ』です。本作は、アメリカの主婦が怒りに任せて人々を殺していくストーリーで、ホラー作品でありながら、あり得なさすぎるシチュエーションにクスッと笑ってしまうシーンが多いユニークな一本。

ベバリー・サトフィン(キャスリーン・ターナー)は、典型的なボルチモアの主婦。歯科医の夫ユージーン(サム・ウォーターストン)、ボーイフレンドに夢中な娘ミスティ(リッキー・レイク)、ホラー好きの息子チップ(マシュー・リラード)と共に、素晴らしい家庭を築いています。彼女は、ガムが嫌いで、リサイクルへの執着が強く、ルールを守らない人々に苛立ちを感じていました。そんな彼女が積み重ねてきた苛立ちが爆発し、ついにボルチモア史上最も「シリアル・キラー」になってしまうのです。

本作の一番の見所はなんといっても、キャスリーン・ターナーの圧巻の演技。狂気じみたほどに明るく振る舞い、時には眉ひとつで殺意のある睨みに変える。その表情のコントロール力が素晴らしすぎました。また彼女の"殺め方"もユニーク。車で容赦無く轢き殺す時も、チキンで殴り襲いかかる時もあり、まさに狂気的な主婦を思いっきり演じています。

さらに、キャスリーン以外のキャストたちも絶妙で、ふとした仕草や表情にクスッと笑わせられる場面が多数。現場がどれだけ楽しかったのかが伝わってくるような、ジョン・ウォーターズらしい陽気でブラックなホラーコメディでした。

(文/トキエス)

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