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名優レイ・リオッタの遺作コメディ『コカイン・ベア』

コカイン・ベア (字幕版)
『コカイン・ベア (字幕版)』
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 『グッドフェローズ』や『ブロウ』など、数々の名作に出演してきた俳優のレイ・リオッタ。2023年に惜しくもこの世を去った彼の遺作のひとつとなったのは、米女優エリザベス・バンクスが監督したダークコメディ『コカイン・ベア』です。彼の死後に公開された本作は1985年に起きた元麻薬捜査官アンドリュー・ソーントンの死亡事故をもとに作られた一本で、ツキノワグマが大量のコカインを摂取したことで大暴走し、人間を襲うという過激な物語。レイ・リオッタのほか、ケリー・ラッセル、オールデン・エアエンライクなど実力派俳優たちも出演しています。

 舞台は1985年。麻薬密輸人のアンドリュー・ソートソンはコカインが入ったダッフルバッグを持ち飛行機からパラシュートで飛び降りますが、意識を失いそのまま落下死してしまいます。彼の死体は発見されたものの、コカインはなかなか発見されません。その間に、なんとツキノワグマが大量にコカインを摂取。さらなるコカインを求め大暴れしてハイキング中の男女を襲い始めます。一方、ギャングのボスであるシド(レイ・リオッタ)は、行方不明になったコカインを取り戻そうと動き始めていました。

1985年、本作のモデルとなったツキノワグマは、レンガ1個分のコカインを摂取したと言われています。しかし、本作のような大殺戮は起こさず、誰1人と殺さなかったそう。エリザベス・バンクスはこの実際のシチュエーションを最大のブラックコメディに変え、ハイカー、救急隊員、非行少年たちを交えて、過激で刺激的な作品に仕上げました。ちなみに今年8月に米Peopleが報道したところによると、エリザベス・バンクスが『コカイン・ベア』の続編について水面下で話し合いが行われていることを明かしています。果たして続編が作られるのか、今後もエリザベスの言動に注目が集まりそう。もし実現すれば、新しい人気コメディシリーズが誕生するかも......? 期待が高まるばかりです。

(文/トキエス)

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