少年のアイディアが世界を少し変える『ペイ・フォワード 可能の王国』
- 『ペイ・フォワード(字幕版)』
- ミミ・レダー,ピーター・エイブラム,ロバート・L・レビー,スティーブン・ルーサー,レスリー・ディクソン,ハーレイ・ジョエル・オスメント,ケビン・スペイシー,ヘレン・ハント
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『シックス・センス』や『A.I.』などのハーレイ・ジョエル・オスメントが、世界を変えるきっかけとなる少年を演じる『ペイ・フォワード 可能の王国』。泣ける映画と長年話題となっている本作は、ハーレイほか、ヘレン・ハントやケヴィン・スペイシーなどの豪華俳優陣も出演しています。
11歳の少年トレバーは、アルコール依存症の母親アーリーンと二人暮らし。そんな彼は新しく赴任されたシモネット先生が担当する社会科の授業で「世界を変えるには?」という課題を出され、真剣に考えます。トレバーが思いついたのは、人に助けてもらったら、その受けた好意を別の3人に贈るという"ペイ・フォワード"でした。トレバーは早速、近所のホームレスを助け、食事を与えますが、一方でアーリーンはこの課題に激怒。しかし、トレバーの行動は徐々に周りの大人たちに影響を与えていきます。
母親アーリーンは過去に行方不明となった夫を想い続け、家庭はまだ傷を抱えたまま。幼いトレバーの視点からは、「なぜ母は辛い過去にしがみつくのか」と疑問が生まれますが、同時に「大人は子供よりも時に弱く、壊れやすい存在だ」と気づかされます。多くの人は、「他人に優しくされると逆に怖い」「なんだか怪しい」と感じてしまう経験があると思います。そんな世の中で、純粋にトレバーのアイディアのように「優しさ」を広めていくとどうなるのか......。ちなみにトレバーを演じたハーレイは本作の撮影最終日に12歳の誕生日を迎えたそう。またトレバーも劇中で12歳の誕生日をお祝いするシーンがあるので、なんだかリアルに感じられました。現在ハーレイは36歳。俳優としてスリラー映画などにも出演しています。そんな彼の才能を改めて感じられる一本でした。
(文/トキエス)