もやもやレビュー

アメリカはなぜ"銃社会"なのか『ボウリング・フォー・コロンバイン』

ボウリング・フォー・コロンバイン(字幕版)
『ボウリング・フォー・コロンバイン(字幕版)』
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 マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー作品の中でもかなり有名な『ボウリング・フォー・コロンバイン』。1999年に起きたコロンバイン高校銃乱射事件を題材に、アポなし取材が得意なマイケル・ムーア監督が突撃インタビュー。銃社会から程遠いわたしたち日本人が見ても、衝撃すぎる事実が詰め込まれた一本でした。

 マイケル・ムーア監督は、銃社会の裏背景に迫るために、コロンバイン高校銃乱射事件の犯人が聞いていたという歌手のマリリン・マンソン、全米ライフル協会の会長、かつてコロンバイン高校の近くに住んでいたという風刺アニメ「サウスパーク」の制作者マット・ストーンなどにインタビューをしていき......。

 本作では、アメリカ国民がメディアに恐怖心を煽られ、銃やセキュリティ対策にお金をかける姿や、黒人の若者のニュースが異常に取り上げられる点、お隣のカナダと銃に関する考え方が全く違う点などを取り上げ、アメリカ国民が持つ「銃=セーフティ」という考えの矛盾点に切り込んでいきます。また実際にコロンバイン高校銃乱射事件での被害者の青年たちも登場し、すばらしい行動に出るのも本作の見どころ。アメリカはなぜ"銃社会"なのか。その原因や疑問を皮肉的に描いている、マイケル・ムーア監督らしい作品です。

(文/トキエス)

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