怖い<楽しい! ホラー映画の概念をぶっ飛ばした『キャビン』
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とんでもない作品に出会ってしまった......。エンドロールの時、そう思ってしばらく開いた口が塞がらなかった作品がありました。「楽しさ」がはるかに「怖さ」を超えてしまったホラー映画『キャビン』! 正直、「どうせB級映画なんだろう」と映画のジャケットやタイトルだけで判断していました。ごめんなさい。本作は、ホラー映画の概念を見事にぶっ飛ばした作品だと思います。
大学生の5人組、デイナ、ホールデン、マーティ、ジュールズ、カートは週末を過ごすため、郊外の森にある小屋(キャビン)へ向かいます。しかし、その小屋は、なんだか不気味な雰囲気が漂い、奇妙な絵も飾られていました。普通だったら誰もが嫌がるような雰囲気にもかかわらず、ぜんぜん気にしない若者たち。彼らはそんなことに目もくれず週末を全力で楽しんでいました。
その夜、全員がリビングに集まってゲームをしていると、突如地下室の扉がオープン! デイナは罰ゲームとして地下に入り、そこで日記を発見します。そこに書かれていた呪文を唱えてしまったことで、何者かが目覚め、彼らに恐怖の魔の手が襲いかかるのです。
そして舞台は一転し、セキュリティが整ったとある研究所。数人の研究者たちの手によりデイナたちの行動が一部始終監視されていたのでした。
不気味な小屋に個性豊かな若者が集まる。暗闇の中、何者かが若者を一人ずつ襲っていく。そんなありきたりな設定で、誰でも予測できちゃう展開にもかかわらず、興味をそそられるのは、デイナたちを監視する研究所の存在があるから。しかも、そこではしばしば日本についても語られています。「日本では一回も失敗はないよ」「さすが日本だ」と。序盤でその会話を聞いてしまったもんだから、この後これがどう繋がっていくのか、なんとか謎を解き明かすために、ありきたりなシチュエーションを真剣に観てしまうのです。しかし、ありきたりだと思っていたシチュエーションは思わぬ方向に。この作品の結末を予測できる人はきっとIQが高いか、想像力が豊かすぎるかどちらかだと思います。
ちなみに、ホラー好きをも唸らせるほど、これでもかというくらいモンスターやゴーストなど様々なクリーチャーが登場する本作。ホラー初心者も上級者も、本作を見ればきっと「ホラー映画って楽しい!」と声を合わせるはず。
(文/トキエス)