下品な『テッド2』を観て"人間らしさ"とは何か、真剣に考えてみる。
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- マーク・ウォールバーグ,アマンダ・セイフライド,ジェシカ・バース,モーガン・フリーマン,セス・マクファーレン,セス・マクファーレン
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"人間らしさ"って一体なんなんでしょう。生きる気力も何もかも失った人間は"人間らしい"のか。はたまた『テッド』のように生理的欲求があるテディベアでも姿形が人間じゃなければ"人間らしくない"のか......なぜかお下品コメディ『テッド2』を観て、そんな奥深いところまでシリアスに考えさせられてしまいました。本作は大ヒットコメディシリーズの第二弾。前作に引き続きセス・マクファーレンが監督、脚本そしてテッドの声を担当しています。
同じバイトの恋人、タミ・リンと結婚したテッド。しかし二人の稼ぎは多くなく、互いに生活費のことで喧嘩するようになります。ずっとタミと仲直りするタイミングを伺っていたテッドは、同僚のおばちゃんに「子供を作れば夫婦仲が良くなる」とアドバイスされ、子供が欲しいと思うように。しかし養子をもらうには自分がおもちゃのテディベアでなく人間であることを証明しなければなりませんでした。テッドは親友ジョン(マーク・ウォールバーグ)とともに新米女性弁護士サマンサ(アマンダ・セイフライド)のもとへ相談しにいきます。法廷で自分が人間と証明しようとするテッドでしたが、陪審員たちはテッドを人間だと思わず......。
そんなテッドが"人間らしさ"とは何かを追求していくストーリー。しかも舞台はこれまで黒人の奴隷制度や同性婚などで平等な人権を勝ち取ってきたアメリカということもあり、思わずこれまでの歴史と被せて観てしまう。テッドへの世間の厳しい目も、笑い者にされてしまうようなシーンも、テッドと親友ジョンに感情移入して辛くなってしまいます。
そんな辛い状況を笑いを交えながら打破しようと奮闘するこのコメディ、かなりの頻度でマリファナを吸うシーンが出てきたり、ブラックジョーク満載。だから本作は面白いのかもしれません。全編通して腹を抱えて笑えるシーン、涙してしまうシーンがたくさん含まれていて、感情の揺れ幅が大きくて、エモーショナルになってしまいます。
しかも本作では、モーガン・フリーマンやリーアム・ニーソンなど豪華俳優陣を無駄遣い。それもセス・マクファーレンのとんでもない悪ふざけなのかもしれません。
(文/トキエス)