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ビッグスターを失った深い悲しみは今も続いている。『チャプター27』

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 ジョン・レノン殺害犯マーク・デイヴィッド・チャップマンの殺害までに至る3日間を映画化した『チャプター27』。マークを演じたのは新作『スーサイド・スクワット』で奇抜なジョーカーを演じた個性派イケメン、ジャレッド・レト。なんと本作では、約30キロも体重を増量。レト様が放つイケメンオーラを全く感じさせない、ストイックすぎる役作りでも注目されました。

 舞台はニューヨークのダコタ・ハウス前。そこに一人の青年、マーク・デイヴィッド・チャップマンがやってきます。目的はなんと、ジョン・レノン殺害。ニューヨークで出会ったのは熱烈なファンのジュード(リンジー・ローハン)と、パパラッチのポール。彼らと交流を持ちながら、いつ殺害するか決行のタイミングを見計らっていました。

 本作には、悲しみにくれる大勢の人たちや警察の会見など実際のニュース映像も含まれており、当時の悲しみをダイレクトに感じ取ることができます。マーク本人に取材した『ジョン・レノンを殺した男』を基に制作されており、彼がなぜ凶行に及んでしまったのか、その心理や殺害前の葛藤などもリアルに表現されています。ジョンは全編を通じて2回ほどしか登場しませんが、「世界は偉大な人を失くしてしまったんだな」と、ジョン・レノンをよく知らない人でも彼の偉大さに気づくことができるはず。

 ちなみにマーク本人は現在、終身刑で服役中。これまでに何度か仮釈放を申請していますが、ジョンの妻であるオノ・ヨーコさんが仮釈放を認めないように働きかけているそうです。きっと彼女は今でも深い悲しみを抱いているだろうし、世の中にもこの事件のことを忘れられない人がたくさんいるのだと思います。ジョン・レノン殺害から36年が経過しましたが、本作を観て、決して忘れてはいけない、忘れられない出来事だと痛感させられるはずです。

(文/トキエス)

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