一瞬も一生も、大切に。『17歳のエンディングノート』
- 『17歳のエンディングノート [DVD]』
- ダコタ・ファニング,ジェレミー・アーヴァイン,パディ・コンシダイン,オリヴィア・ウィリアムズ,オル・パーカー
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人生は一瞬一瞬が積み重なっている......ということを意識したことはありますか? 寝ていても、暇していても、ゲームしていても、仕事していても、今この一瞬の積み重ねで人生はできているのです。そんな大切なことに改めて気付かせてくれる作品が『17歳のエンディングノート』。本作では、『アイ・アム・サム』で世界中を涙させた天才子役ダコタ・ファニングが余命9ヶ月の少女を演じています。
白血病のため、余命宣告を受けたテッサ(ダコタ・ファニング)は、残りの人生を精一杯生きるためにTO DOリストを作成。その中には「セックスがしたい」という思春期ならではの項目から、「ドラックに手を出すなど」法を犯すものまで。リストの内容を実行していく日々の中、隣にアダムという青年が引っ越してきます。素朴で優しいアダムと、人生を精一杯生きようとするテッサは次第に惹かれ合っていきます。
タイトルから「感動のストーリー」や「闘病のストーリー」というイメージが湧きますが、本編を観ていくにつれ「悲しい」という感情とは正反対の感情が湧き上がってきます。彼女から勇気ももらえるし、彼女が病気ということをふと忘れて、まるで純愛ストーリーのように思えるような作品に仕上がっているのは、テッサが冷静に過酷な現実を受け止めている強い女の子だから。また、娘を守りたいという思いから厳しくしてしまう父親、そして現実逃避からか看病の仕方さえわからない母親らしくない母親の姿を見ていると、時に行き過ぎた愛情が、その人のやりたいことを遮ってしまうということを学べます。
本作を観終わった後、一瞬一瞬を大切にすることの必要性を改めて考えさせられます。そして思春期の彼女ならではの発言や行動は、きっとアナタに大切な何かを気付かせてくれることでしょう。
(文/トキエス)