どの時代でも華麗に乗馬を披露する男は素晴らしい。『ニューヨーク冬物語』

　マーク・ヘルプリンのベストセラーファンタジー小説を映画化した『ニューヨーク　冬物語』。病を抱え余命が少ない令嬢と、その屋敷に盗みに入った泥棒が一瞬にして恋に落ち、なんと100年の時を超えてその恋の意味を探し出すという壮大なラブストーリーですが、主演のコリン・ファレルがもうカッコ良すぎるんです。

　舞台は1900年代と2000年代のニューヨーク。幼い頃に両親と離れてしまったピーター（コリン・ファレル）は、泥棒を生業としていましたが、ギャングのボスと仲間割れ、そして命を狙われてしまうハメに。たくさんのギャングたちに追われていたピーターは、偶然、キレイな白馬と出会い、そこで華麗に乗馬！　追っ手を振り切ります。その後ピーターは、ギャングたちから逃げるために街を出ることを決意しますが、その前に豪邸に泥棒に入ります。そこで出会った令嬢こそが運命の相手、ベバリー（ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ）でした。泥棒と盗みに入られた豪邸の令嬢が恋に落ちるというまさかの展開ですが、この２人の真実の愛はなんと時空を超え、100年後（2014年）のニューヨークでも奇跡を起こすのです。

　前述した通り、本作は時空を超えるラブストーリー。そのため100年前と現代のニューヨークの景色を楽しむこともできます。また、どっちの時代でも華麗に乗馬を披露するピーター。ピーターが乗っている白馬が橋を飛び越えてしまうほどのジャンプ力を持っていたり、あり得ないようなグッドタイミングで登場したりと、若干無茶がある設定が気になりますが、それよりも、とにかくピーターの乗馬姿が目に焼き付いて離れません。

　また、ギャングのボスを演じたラッセル・クロウにも注目です。マジで怖い。ピーターを頭突きだけでけちょんけちょんにするシーンがあるのですが、かなり圧倒されます。悪者オーラがはんぱない。周りを圧巻するとてつもないオーラを醸し出すラッセル・クロウ。いつか北野武監督の映画で観てみたい......。

　とにかく、現代でも100年前でも乗馬姿が絵になる男は最高！　そして本作は、その無茶な設定から映画批評サイト「ロッテン・トマト」で13％の低評価を記録していますが、それも合わせて楽しんでみてください。

（文／トキエス）