自分と対照的な相手こそソウルメイトだったりする。『アンブレイカブル』

　友達の中に、性格もファッションセンスも何から何まで正反対な人はいませんか？　でも、対照的な存在にも関わらず、大事な時には意見が一致したり、考え方がまったく一緒だったりして、心が繋がっている"ソウルメイト"かもしれない！と実感する人も少なくないのでは。『アンブレイカブル』は、そんな対照的な相手との関係性を描いた、サスペンス・スリラー作品。『シックス・センス』など、衝撃的な結末の作品を数々生み出したM・ナイト・シャラマン監督が手がけた本作も、期待通り、衝撃的な結末なのです！

　主演は『シックス・センス』に続いてブルース・ウィリス。ブルース演じるデヴィッド・ダンは、ある日、悲惨な列車追突事故に巻き込まれます。乗客・乗員合わせて131名が死亡するという大事故にも関わらず、なんとデヴィットは無傷。なぜ自分だけ生き残ったのか疑問に思うデヴィッドのもとに、「あなたは今までの人生で何日病気にかかりましたか？」という一通の手紙が届きます。その手紙の差出人は、人生で何度も骨折を繰り返すという難病を抱える、漫画家のイライジャ・プライスでした。手紙の住所をもとにイライジャのギャラリーを訪ねたデヴィットは、ヒーローのような何か特別な能力を持っているのでは？とイライジャに指摘されます。

　どんな事故に巻き込まれても傷一つ負わないデヴィットと、階段から転げただけで何箇所も骨折してしまうイライジャ。そんな正反対の２人が出会ったことによって、お互いの心境に変化をもたらします。妻や息子とギクシャクしていたデヴィットは、強い父親であってほしいと願う息子との距離を縮めるために、イライジャの言葉を信じてヒーローになろうとします。自分の能力を仕事場で試してみたり、筋トレに励んでみたりと、気付けば妻との関係性も改善されていきます。そんなデヴィットの姿を見ていると、自分と全く正反対の人と出会えることは貴重で、その存在はなにかしら自分に良い影響を与えてくれるのでは？と気付かされます。

　本作を観れば、自分とは正反対の人と親交を深めてみたくなること間違いなしです。もしかしたら、その中に、魂レベルで繋がることのできる"ソウルメイト"がいるのかも。

（文／トキエス）