もやもやレビュー

ヒモ男が大切なことを教えてくれる『愛とセックスとセレブリティ』

愛とセックスとセレブリティ [DVD]
『愛とセックスとセレブリティ [DVD]』
アシュトン・カッチャー,アン・ヘッシュ,マルガリータ・レヴィエヴァ,マリア・コンチータ・アロンゾ,デヴィッド・マッケンジー
ビクターエンタテインメント
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

 美貌と女性を虜にするテクニックを兼ね備え、女性に貢がせ遊び暮らしているヒモ男。そんな「人生楽勝だ!」と思ってしまっているヒモ男さんにぜひ観てほしいのがアシュトン・カッチャー主演の『愛とセックスとセレブリティ』だ。

 ロサンゼルスで気ままに暮らすニッキは、今まで自分の美貌とテクニックを武器に数多の女性を落としてきた。夢は豪華なセレブライフというニッキは、とあるパーティーで弁護士のサマンサに出逢い、彼女の豪邸へ転がりこみ"ヒモ生活"をスタートさせる。

 サマンサを落とした次の日。早速、花を注文したり、料理を振る舞ったりと、数々のヒモ男テクニックを披露。しかも女性に尽くした項目を脳内で点数化して楽しんでいるというゲスっぷり。自宅で浮気しているのをサマンサに発見されて激怒されるも、ヒモ男テクで切り抜けてしまう。まさにプロの"ヒモ男"である。

 そんな生活を続けていたニッキは、ある日訪れたダイナーでウェイトレスのヘザーに出逢い、一目惚れしてしまう。
 しかし、あらゆるテクニックをもってしても、ヘザーはなかなか落とせない。簡単に手に入らないからこそ、どんどんヘザーの魅力にハマっていく。

 女もお金も思い通りと思っているニッキが、人を真剣に愛してしまったことで、徐々にどん底まで落ちていく。「人にばかり頼ってきた中身空っぽの男」とまで周りに言われてしまうニッキの姿は、人のふんどしで相撲をとりすぎることのリスクを教えてくれる。

 本作はR15指定されるほど、ニッキ役のアシュトン・カッチャーが惜しみなく肉体美を披露している。見るだけで妊娠しそうな美貌だけれど、それほどの美貌を持ってしても、中身が空っぽでは人生転落していくばかり。
 特にヒモ男の皆さん。「人生楽勝!」と勘違いしてしまう前に、本作で自分のふんどしの大切さを学んでみるのもいいかもしれない。

(文/トキエス)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム