オネエが教えてくれる、正しい危機の乗り越え方。『アイム・ソー・エキサイテッド!』
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- カルロス・アレセス,ハビエル・カマラ,ラウル・アレバロ,ペドロ・アルモドバル
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はるな愛や、マツコ・デラックスなど、テレビで観ない日はないほど活躍している存在"オネエ"。また、GENKINGなど新しいジャンルのオネエも登場し、ファッションやメイクも注目されてきている。そんな活躍し続けるオネエたちをテレビで観て「心が強いな〜」と感心している人も多いのではないだろうか。
どんなピンチにも立ち向かう心の強さを持っている"オネエ"が主人公のコメディ映画『アイム・ソー・エキサイテッド!』は、普通のアクション・サスペンス映画ではパニックになるようなシーンでも、"オネエ"たちが強い心を見せつけてくれている。
『私が、生きる肌』などの鬼才ペドロ・アルモドバル監督のコメディで、3人のオネエ客室乗務員が主人公。マドリードからメキシコシティに向けて飛び立った旅客機。だが、機体トラプルが発生し、上空を旋回し続けることに! ビジネスクラス担当の3人のオネエ客室乗務員は、変なカクテルを作ったり、ミュージカル調の歌を歌って踊ったりしてなんとか客の不安を和らげようと奮闘する。
機体トラブルで緊急着陸先の空港も見つからない!という危機感たっぷりのシチュエーション。よくある普通の映画では、客もパニック、客室乗務員も怯えながら業務をこなすはず......なのに、本作はオネエトリオが浴びるように酒を飲み、さらには機長にも酒を勧める。さすが、お酒が大好きな国スペインで製作された映画だ。
さらに、ビジネスクラスにはSMの女王、泥酔状態の新婚カップル、予言者の女性など変な客ばかり乗っている。そんなおかしな乗客たちの自分勝手な言動で、機内はさらに混乱状態。それでもとりあえず酒を勧めるオネエたち。どんなにヤバいシチュエーションでも、お酒の力を借りてみると、けっこう楽しく乗り切れてしまうことを、オネエたちは教えてくれる。
終始お酒が登場し、ありえない発言も飛び交う本作をみれば、オネエの偉大さを改めて実感することができるかもしれない。
(文/トキエス)