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プロレス×映画

"第三の仲間"がタッグチームを面白くする? イケてるバカバディムービー『処刑人』

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 バディムービーでは、主役2人に対して"第三の仲間"がつくパターンがあるかと思います。『リーサル・ウェポン(3以降)』のジョー・ペシしかり、『あぶない刑事』の仲村トオルしかり。往々にしてコメディ・リリーフ担当故にヘタレかポンコツなのが定番です。

 で、そんな"第三の仲間"が際立っている作品といえば、『処刑人』(1999)。
 タランティーノの『パルプ・フィクション』(1994)、ガイ・リッチーの『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』辺りを発端とするシャレオツクライムモノのブームの中でも変わり種の作品。

 とある兄弟が神の啓示を受け、ボストンに巣食う悪党共を処刑していくという、いわゆるヴィジランテ(自警団)モノ。
 主役となるマクマナス兄弟の弟マーフィーは、海外ドラマ『ウォーキング・デッド』のダリル役で人気のノーマン・リーダス。兄コナーを『インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険』のヤング・インディ役のショーン・パトリック・フラナリーが演じます。

 この2人自体イケメンなのですが、主への祈りをつぶやきながら2人同時に拳銃の引き金を引くというスタイリッシュな処刑方法に加え、死者の両目にペニー(硬貨)を置くというギリシャの風習も相まって、中二病的なカッコ良さ。
 といっても、ターゲット選びは適当だし、流れ上の棚ボタ勝利だしと、やっていることはバカ兄弟そのものなんだけども。

 ここに"第三の仲間"として、イタリアンマフィアの下っ端ロッコも加わりますが、兄弟以上のアホで、可愛いニャンコを手違いの誤射で肉片にしちゃったり、ポルノ小屋での処刑デビューでは「オッパイ揉んだだけで帰りたくない」と駄々をこねて無関係の客を処刑したりで、スタイリッシュ感は皆無。
 でも、その頑張っているけれどポンコツな具合が良い味を出しておりまして、本作を象徴するキャラとして愛されています。

 プロレスでも同様で、有力タッグチームに、若手やお喋り上手が第三の仲間のポジションにつくことがあります。WWEでいうと、古くはダッドリー・ボーイズのスパイク・ダッドリー、今ならニュー・デイのエグザビア・ウッズ。個人的な趣味でいくと、三沢光晴&川田利明に対する菊地毅といった辺り。彼らのヤラレっぷりや奮闘が、主役となるタッグチームを面白くするワケです。

 しかし本作にはまだまだ"第三の仲間"が出てきます。

 お次は、兄弟たちを追う敏腕FBI捜査官スメッカー。推理のため処刑場面に"妄想で参戦"するパートがチョイチョイあるのですが、一緒に妄想襲撃しちゃったり、現実のシーンでも"オネエな能力"を発揮したりと、結果としてスメッカーを演じたウィレム・デフォー先生の変態っぷりが本作の目玉といってもいいかも!

 そして、イタリアンマフィアが最終手段として送り込む、伝説の殺し屋イル・デューチェがこれまたステキなジジイで、最終盤には重要な立ち位置に収まるところもグッと来るのです。

 映画自体の作りに粗は見えますが、展開別にキャラの濃い"第三の仲間"が加わることで、兄弟の成長も見て取れるのが面白いところ。
 前半にロッコが恋人の部屋から逃げる際に適当に持ち出すアイロンにもオチがあるなど、ツボを突いてくる演出と脚本、勢い任せのノリの良さと格好良さは、先人達の作品にはない味。筆者のお気に入りトップ5の一本としてオススメです。

(文/シングウヤスアキ)

※デューチェと兄弟とのまさかの関係を軸に、スタイリッシュさを増した続編『処刑人II』も2004年に製作されましたが、変態デフォー先生の出番は少なめに。

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シングウヤスアキ

会長本人が試合までしちゃうという、本気でバカをやるWWEに魅せられて早十数年。現在「J SPORTS WWE NAVI」ブログ記事を担当中。映画はB級が好物。心の名作はチャック・ノリスの『デルタ・フォース』!

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