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ライアンとチャゼル監督の最強タッグ来日!『ファースト・マン』来日記念イベント

『ファースト・マン』 2月8日(金)より全国ロードショー!

『ファースト・マン』来日記念イベントの様子

 メガヒット作『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングが再びタッグを組んだことで話題の『ファースト・マン』、いよいよ来年2月8日に全国ロードショー! アメリカでは10月から公開されており、第22回ハリウッド映画賞では、チャゼル監督が本作でハリウッド監督賞を受賞したという嬉しいニュースも。そんな期待高まる本作の公開を記念し、ライアンとチャゼル監督が来日してくれました!


実は『ラ・ラ・ランド』よりも先に企画されていた!?

 噂によると『ラ・ラ・ランド』よりも本作を先に企画していたというチャゼル監督。なぜ今このタイミングで本作を撮ろうとしたのか......そんな疑問にチャゼル監督は「ジェイムズ・R・ハンセンの原作を読んだときに『セッション』を撮っていた。そのころからあった "ゴールを追求するため、人はどれくらいの代償を払うのか"というテーマを、月面着陸という大きなキャンパスを使えば、さらに掘り下げられるのではと思ったんだ」とコメント。

また、ライアンと共にリサーチをして、本作の準備や作業を進めていく中で "ゴール"ではなく、 "ニール・アームストロングがなぜこのミッションを達成できたのか"ということに注目するようになのだとか。「ニールの深い悲しみや、喪失感。それが彼を月に駆り立てたものの一つなのではと感じられた。宇宙へのミッションと、妻ジャネットや家族との関係を、親密でエモーショナルな物語としてバランスを取りながら撮っていったよ。彼の家族との関係性を伝えたいという気持ちが僕たちを駆り立てたんだ」(チャゼル監督)。


「刺激的な挑戦だった」(ライアン)

ライアンは今回のオファーが来た時の心境を聞かれ「素晴らしい偉業を成し遂げた人物を演じることができることは光栄だと感じた。しかしそれと同時に、プレッシャーもあった。原作を読むまでは、まったくニール・アームストロングという人物を理解していなかったんだ」とコメント。「ニールの家族との関係や、ミッションを成し遂げるまでにどれだけ多大な犠牲があったのか。深い悲しみや喪失感が背後にあったということを感じ、それを背負った上で演じることは、自分にとって刺激的な挑戦になったよ」(ライアン)

 また役作りに関しては、亡くなる前のジャネットと、ニールの妹、息子さん、NASAの同僚とも直接会って話をすることができたので非常にラッキーと感じたそう。役作りに関して十分なヒントを得ることができたようです。


「ドキュメンタリーを観ているようでした」(宇宙飛行士・山崎さん)

 ここで、宇宙飛行士の山崎直子さんが登壇。「すべてがリアルといいますか、まるでドキュメンタリーを観ているような感動を覚えました」と本作を大絶賛! 宇宙飛行士視点でリアルだった箇所を聞かれ「宇宙船のアポロ時代のちょっと古めかしいような機械の感覚と、まさに危険と隣合わせの過酷な訓練の日々、そして日常生活との対比がものすごくリアルだなと私自身も思いました」とコメント。また仲間の死などを乗り越えていく彼の心理描写にも共感を持てたそうです。

 そんな山崎さんの感想を聞いたチャゼル監督は「リアルな作品にすることは僕たちにとってもかなり重要なことだった。僕たちはもちろん宇宙飛行士でもなければ、60年代に生きたわけでもない。だからこの物語を描こうとすると、すごく距離を感じ、非常に大きなプレッシャーを感じていた。でもその距離を埋められたのは、妻のジャネットや息子兄弟、そして同僚たちが時間を割いて話をしてくれたり、映像を確認してくれたりしたからなんだ。山崎さんがリアルに感じたのは、彼らが貢献してくれたからだと感謝しているよ」と関係者に感謝の気持ちを述べました。


ライアンは実際に月に行けるとしたら......「行く勇気はない」

さらにライアンとチャゼル監督の希望で、民間人で初めて宇宙に行くことを公表しているZOZO代表の前澤友作さんも登壇!

前澤さんは「この数年で観た映画の中でダントツのナンバーワン作品です」とコメント。「他の作品も観て勉強を続けましたが、本作は極めてドキュメンタリータッチ。宇宙船のボタンを押す音や地面着陸したハッチが開く瞬間など、今まで伝えられていなかった情報が新たに本作によって再現されている点がとても良かったです。僕自身、意欲も高まってきています」と熱く語ってくれました。

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会見の様子


そんな前澤さんの宇宙に行くという新たな挑戦を受け、「もし月に行けるとしたら行ってみたいですか」という質問がライアンとチャゼル監督のお二人に!!  チャゼル監督は「正直、行くかどうかはわからないな」とコメント。本作を撮っている間に、当時の未知数の危険やリスクを改めて知ったことで、 "居心地のいい体験ではなく大変"と思ったのだとか。「宇宙飛行士たちの努力、汗、涙を知ることになり、行くかどうかと聞かれれば少し躊躇するかもしれない。でも間近で月を見ることができるのは、嫉妬しちゃうな」と笑いながらコメントしてくれました。

ライアンは「本作の撮影で、実際の宇宙服を身にまとったり、精巧に作られた宇宙船に乗ったり、心から楽しむことができた。でもチャゼル監督から "カット!"って言われて、宇宙船を降りた時が一番ほっとしたんだ。月に行く勇気はないから、僕は地球で陰ながら応援しているよ」と正直な意見を聞かせてくれました。

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実際に宇宙を体感した山崎さん、そしてこれから宇宙へ飛び立つ予定の前澤さんからも高評価を得た本作。映画館で宇宙体験ができるなんて...子どもはもちろん、大人もワクワクしちゃいますね! 個人的にIMAXでの鑑賞がおすすめです!!

(取材・写真・文/トキエス)

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『ファースト・マン』
2月8日(金)より全国ロードショー!

監督・製作:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、カイル・チャンドラー ほか
配給:東宝東和

原題:FIRST MAN
2018/アメリカ/141分
公式サイト:http://www.firstman.jp/
©Universal Pictures

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