本日はとても悲しいお知らせをすることとなってしまいました。
BOOKSTAND映画部で連載をしてくださっていた、映画ジャーナリストの斉藤守彦さんが、虚血性心不全により逝去されました。あまりに突然の出来事で、ただただ衝撃を受けております。
今月10日には、斉藤さんの映画本評の連載【映画を待つ間に読んだ、映画の本】で、次回取り上げる本について、メールでご連絡をくださったばかりでした。その本は、是枝裕和監督と広告ディレクター・樋口景一氏による対談をまとめた『公園対談 クリエイティブな仕事はどこにある?』でした。「是枝監督の本を扱うのは、これで3回目ですが、今回のが一番読み応えありました。書店で偶然、手に取ったのですが、ほぼ3日で読了」と、書かれていました。ですが、その書評を拝読することは叶いませんでした......。
斉藤さんが、映画部で連載してくださることになったのは、2013年の冬に「映画人の仕事」というコーナーでインタビューをさせていただいたことがきっかけでした。年の瀬近くのお忙しい最中でしたのに、喫茶店でたくさんのおはなしを聞かせてくださって、そのときにダメ元で連載をお願いしたら、快くOKしてくださったのでした。
それから間もなく2013年12月25日に、斉藤さんの映画本評の連載がスタートしました。その後、2015年に惹句をテーマにした連載が加わって、月に2回、連載を担当してくださいました。メールでのやりとりがほとんどでしたが、私のような無知な未熟者にも、いつもフランクに飾らない言葉で対話してくださる方でした。そして、妥協のない熱意のこもったお仕事に触れながら、仕事をする人間として、身を引き締めなければと何度も考えさせられました。
斉藤さんが残してくださった連載原稿は、そのまま、掲載を続けさせていただこうと思っております。斉藤さんの熱さの詰まった連載でもあります。少しでも多くのかたに、読んでいただけましたら幸いです。
斉藤守彦さんに感謝を込めて。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
BOOKSTAND映画部 根本美保子
斉藤さんの連載一覧(月ごとに遡ることができます)
/cinema/saitou/
2013年に掲載した、斉藤さんのインタビュー記事
/cinema/work/201312/06140715.html
/cinema/work/201312/06142907.html