インタビュー

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テアトル新宿がリニューアル・オープン

本日よりリニューアル・オープンしたテアトル新宿

 1969年にオープン。1988年からはミニシアターとして、伊丹十三、小中和哉、北野武、前田弘二、三木聡、ケラリーノ・サンドロヴィッチといったインディペンデント監督たちの作品の他、作家性の強いアニメ映画(『時をかける少女』『パプリカ』『空の境界』など)の上映で異彩を放つ映画館・テアトル新宿がロビイなどの設備を大規模改修。3月1日のリニューアル・オープンを前に、より快適になった場内を2月28日、関係者に披露した。

 今回リニューアルを実施したのは、ボックスオフィスカウンター、ショップ、コンセッション回りとロビイ、壁面にスクリーン裏にある打ち合わせ室。つまり場内のスクリーン、映写施設などハードを除くすべての箇所を改修したと言える。

 従来ロビイにはベンチやシートが点在していたが、これらを撤去。場内出入り口より奥のスペースに、可動式の大型ソファを設置し、導線を確保。混雑時でもロビイで次回上映を待つ観客と、上映終了後場内から退出する観客がスムーズに移動出来るようになった。

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 また壁面にはポスター掲示用のボード、チラシ・ラックの他、上映作品の劇中衣裳を展示できるスペースも設定された。ただしリニューアル・オープン作品『愛の渦』は、上映時間123分中出演者の着衣シーンが18分半という映画なので、今回このスペースは使用されない。

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 内覧会に参加した関係者に軽い衝撃を与えたのが、スクリーン裏にある4畳半ほどのスペース=通称「打ち合わせ部屋」の改修後の姿だ。本来オールナイト興行でスタッフが休憩するための小部屋だったが、イベントや舞台挨拶を行う際のスタッフ、キャストの待機所や打ち合わせなどにも使われてきた、由緒ある(?)スペースで、畳敷きのこぢんまりした空間が、なんとも昭和っぽい落ち着いた雰囲気を醸し出していた。ところが、今回のリニューアルで、この小部屋から畳が撤去され、硬質な素材の床にソファが置かれることとなった。「もう...寝転べないじゃないかっ!!」と言葉を失うかつての利用者だが、シックな装いのロビイとは対照的に、小部屋にぶら下がった蛍光灯が、この隠れた名所の風情を継承していると安心する姿が見られた。

(写真・文/斉藤守彦)
http://www.ttcg.jp

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