インタビュー
映画が好きです。

VOL.55 水川あさみさん(女優)

毎月1回は必ず映画館へ行く
—女優、水川あさみの映画観

ドラマ『のだめカンタービレ』や『夢を叶えるゾウ』などで知られるように、"強い女性"を多く演じ人気を誇る女優の水川あさみさん。1997年に映画『劇場版 金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』で女優デビューを果たしてから20年以上が経ちますが、今もなおドラマや映画、CMなど幅広い映像の世界で活躍し続けています。9月11日(金)に映画『喜劇 愛妻物語』の公開を控える水川さんは、どんな映画が好きで、普段はどんな映画を観るのでしょうか。ご本人にお話を伺いました!

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------映画『喜劇 愛妻物語』では、売れない脚本家・豪太(濱田岳)の妻であるチカを演じていますが、濱田さんとの掛け合いがとても光っています。どんな作品に仕上がりましたか?

この作品は、結婚10年目を迎えた夫婦の物語。夫が言葉を発するたびに妻が"毒舌"で返すのですが、モデルはなんと、足立紳監督夫婦なんです。濱田くんが素晴らしいお芝居をしてくれていたので私自身は構えることなく自然と演じることができ、豪太とチカの軽妙なやりとりが素晴らしく光る作品となりました。

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『喜劇 愛妻物語』より

------撮影現場はどんな雰囲気でしたか?

濱田くんは相手の演技をきちんと受け止めてくれる役者さんで、監督も私たちふたりを信頼してくれていることが伝わってきました。また、スタッフの皆さんと監督の関係性も気さくで、ときに周りからいじられる監督の姿も見られました(笑)。とても温かく、愛のある現場でしたね。そんなアットホームな雰囲気だったこともあり、私としてはとてもお芝居に集中しやすかったです。


------撮影での思い出はありますか?

今回は香川でのロケだったのですが、やはりおいしいうどん屋さんが街中にたくさんあったので、撮影の合間にみんなでよく食べに行きました。その香川の情景がまた美しく、特に小豆島は海も山も自然豊かで綺麗で、現地の人もとても温かく思い出の場所になりました。小豆島が出てくるシーンにもぜひ注目してください!

『喜劇 愛妻物語』サブA.jpg

『喜劇 愛妻物語』より


------ところで、水川さんの好きな映画のジャンル、作品は何ですか?

ジャンルは問わず、いろいろな作品を観ます。好きな作品は、なかなか難しいですが、強いて挙げるとすると『ズーランダー』(2001年、アメリカ)。ファッションモデル界を舞台にしたコメディ作品で、主人公たちがバカなことを真剣にやっているところが好きですね。


------コメディとは少し意外でした。これまでに影響を受けた役者さんはいらっしゃいますか?

共演させていただいたこともありますが、樹木希林さんですね。その場にいるだけで役として存在することを魅せてくれる役者さん。樹木さんが画面に映るだけで目が離せなくなる。そういう存在感ってすごいなと思います。「うん」のセリフ一言だけでその人が何を思っているかを表現できる役者になりたいです。


------コロナ禍やネット動画配信サービスの充実で、悲しいかな映画館離れが進みつつありますが、水川さんの映画館にまつわる思い出がありましたら教えてください。

私にとって映画館は割と身近なもので、以前は月に1本は必ず映画館で映画を観ていました。緊急事態宣言解除後に、まさに映画館へ行きましたが、誰にとっても行きたくても行けない時間があったなかで、改めて劇場でちゃんと椅子に座ってスクリーンで映画を観ることができることにすごく感動を覚えました。座っただけで泣ける気分になりました。そういえばですが、まだ私が小学生だった頃、安達祐実さん主演の『REX 恐竜物語』を映画館で観たのですが、ちょうど夏休み期間に公開されていて、何度も観たくなって両親に連れて行ってもらい、合計で3回も観ました(笑)。


------3回も(笑)。映画館で観たい作品の基準って何ですか?

自分の好みの作品はもちろん、出演している役者さんや手掛けている監督によって映画館で観たくなりますが、映像の迫力を観るためというわけではなく、映画としてつくられているものをちゃんと映画館で観たいなと思って劇場に行くという感じです。監督で選ぶなら、最近だと是枝裕和監督や阪本順治監督、『百円の恋』の武正晴監督も。今後は足立監督の作品も観に行かなきゃ(笑)。


------足立監督作品はマストですね(笑)。改めて映画館の魅力って何だと思いますか?

ある一つの作品を観たいと思って観に来ている人たちと、その映画について共有できることだと思います。今はスマートフォンやタブレットで映画もドラマもいつでもどこでも観られるようになり、すごく便利にはなったけど、その反面寂しさがあります。観たいなと思う映画をちゃんと映画館へ観に行って、スクリーンから流れてくるお芝居や音楽に感動したり腹が立ったり。そういう感情が一体となって空気になってその場にいる人たちに伝わることが映画館の素晴らしさだと思います。

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『喜劇 愛妻物語』より

------まさに映画館でしか感じられないことですね。最後に、まもなく公開を迎える映画『喜劇 愛妻物語』ですが、今だから話せる撮影秘話があれば教えてください!

私は役柄上、今よりも体重が5キロ増えた状態だったのですが、維持するという意味でうどんをたくさん食べられたことはありがたかったです。芝居のうえでは、撮影が進むなかである日監督から「だんだん本物の奥さんに見えてきたよ」なんて言われて。「今の言い方、傷ついた」なんて仰っていただいて(笑)。そんな監督が傷つくような、作中に登場する私の毒舌っぷりにもぜひ注目していただきたいです!


------水川さん、ありがとうございました!

撮影/谷田貝一也
取材・文/小山田滝音
ヘアメイク/岡野瑞恵
スタイリスト/岡部美穂

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『喜劇 愛妻物語』
9月11日(金)より全国でロードショー

原作・脚本・監督: 足立紳
出演:濱田岳、水川あさみ、新津ちせ、夏帆 ほか
配給:キュー・テック/バンダイナムコアーツ

2019/日本映画/117分
公式サイト:http://kigeki-aisai.jp/
©️2020 『喜劇 愛妻物語』製作委員会

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水川あさみ(みずかわ・あさみ)

1983年生まれ、大阪府出身。女優。今年は映画「グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇」に出演のほか、Hulu『住住(2020)』、Paravi『love⇄distance』が配信中。また公開待機作に、『ミッドナイトスワン』(9月25日公開)、『滑走路』(今秋公開)がある。

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