インタビュー
映画が好きです。

VOL.51 遠山景織子さん(女優)

笑いのツボは『テッド』や『Mr.ビーン』!?
女優、遠山景織子さんに聞く、映画のはなし。

とあるバーを舞台に、2人だけの女子会が開かれるシーンから始まる"ドタバタコメディ"『お口の濃い人』。主演の遠山景織子さんは、映画『高校教師』でデビューされて以来、女優一筋でキャリアを積んでこられ、シリアス系からコメディまで幅広い作品で活躍されています。そんな遠山さんに、今回の主演作『お口の濃い人』の裏話から、個人的にお好きな映画や影響を受けた俳優さんについてまで、たっぷりお話を伺ってきました!

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――『お口の濃い人』はユーモア溢れる作品となっていますが、遠山さんはどんな経緯で本作に出演することになったのでしょうか。
遠山さん(以下、敬称略):監督であるコーエンジ・ブラザーズの沖(正人)さんと『OUT ZONE』(監督:菅乃廣)で夫婦の役をやらせていただいたのですが、その時のご縁で、今回、出演させてもらうことになりました。コーエンジ・ブラザーズさんの作品は、空間をとても上手に使っている印象。魅力的な空間にしていくために私自身も意識しました。


――今回遠山さんは、アラフォーになっても「男運がない」と嘆くしっかり者の先輩という役どころ。同じく男運なしの天然キャラ・後輩のかよちゃん(演・相馬有紀実)とのコンビがとても素敵でしたが、役柄に対してはどのように向き合いましたか?
遠山:最後にひっくり返されるオチが待っているのですが......。「それ、なんでよ!?」という話の"ズレ"が起きていくなかで、より面白く伝わるように意識して演じていきました。リアクションも大きめにとったり、かよちゃんのボケが引き立つように考えて演技しました。

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映画『お口の濃い人』より

――ずばり遠山さんが思う『お口の濃い人』の魅力は?
遠山:人と人との会話ですかね。あのバーの中にはまともな人が一人もいない気がするんです(笑)。言い方を変えれば個性味溢れているとは思うんですが、観ていてくすくすと笑える。観終わったあと、お客様にはそのまま美味しいお酒を楽しんでいただけたらと思います。


――いまお話があったように、お酒の場が舞台となっている作品ですが、遠山さんはお酒やお酒の場はお好きですか?
遠山:お酒も、お酒の場も好きです。普段は話せない本音を言えたりしますし。私はあまり酔い過ぎないようにしていますけど(笑)。こういうお酒が好きなところももしかしたら作品に反映されているかもしれません。

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映画『お口の濃い人』より

――ところで、遠山さんご自身が好きな映画作品についてお聞きしたいのですが、大好きな映画をひとつ挙げるとしたら?
遠山:難しいですね......。この間、映画館で観た是枝裕和監督の『真実』(2019年)はとても素晴らしかったです。世界観も好きですし、やっぱり最後は「愛だな」って思えて。親子の愛はちゃんとあって、それが真実ってことだと思うんですけど......。


――映画館にはよく行かれるんですか?
遠山:いえ、そんなことはないんです......。そのときはたまたまテレビで是枝監督の『海よりもまだ深く』(2016年)を観ていて、とても素晴らしいと思っていて。番組の終わりに是枝監督の最新作のお知らせがあって、そのまま次の日に観に行ったのが『真実』だったんです。映画館のサイズで観ることができて、行って良かったなと思いました。


――ジャンルでいうと、どんな作品が好きですか?
遠山:そのときの気分にもよるんですけど、ミステリーは基本的に好きかなあ。ただ、怖がりなのでホラーが苦手で。もちろん演じることもあるんですけど(笑)。あとは、韓流の恋愛ドラマも好きですし、ジャンルはオールマイティですかね。内容が面白ければ何でも好きです。強いて作品名を挙げるなら......『テッド』(2012年)や『Mr.ビーン』(1990年~)。笑いのツボがこっち方面なんですよ。


――女優として影響を受けた作品はありますか?
遠山:田中裕子さんがすごく好きで大尊敬しているんですが、田中裕子さんの作品を観ると、とても刺激を受けます。実は過去に親子役で共演させていただいたことがあるのですが、とても緊張して現場に行った覚えがあります。親に歯向かうという役だったのですが、現場に入って挨拶をしたんですけど目も合わせてくれませんでした。そういうふうにすでに役作りをなさっている姿にはとにかく圧倒されました。撮影が終わった時に「よく頑張ったね」と声をかけてくださって、ついボロボロと泣いてしまいましたね。役作りは"空気感"。観ている側にも本気を伝えなければいけないということを田中裕子さんから学びました。

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――田中裕子さんから影響を受けて、いまの遠山さんがいらっしゃると。
遠山:はい、田中裕子さんみたいな女優を目指したいと思いました。それと、私のデビュー作である『高校教師』では、私は寮長からいじめられる役だったのですが、寮長役の荻野目慶子さんからも多くを学びました。出演者全員が同じ場所にいるのに、違う部屋や廊下で一人でずっと厳しい振る舞いをしていたり。カメラが回っていない時も私とは仲良く喋らない、というふうにとにかく徹底されていて。撮影が終わってから「あの時、あえて話さなかったんだよね」と伝えていただき、その時も泣きそうになりました。


――最後に、今後の展望をぜひお聞かせください!
遠山:今回の作品もそうですが、今までにやったことのない役柄を演じることが最近は多いんです。幸運にもここまで女優を続けてこられているので、漠然とはしてますが、とにかく新しい役柄に挑戦し続けたいですね!

(取材・文/小山田滝音、撮影/谷田貝一也)

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『お口の濃い人』
11月23日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショー公開

監督:コーエンジ・ブラザーズ
出演:遠山景織子、藤崎卓也、菅原佳子、相馬有紀実、黒田耕平、前すすむほか
配給:リアリーライクフィルムズ

2019/日本映画/95分
公式サイト:http://www.okuchinokoihito.com
©︎2019『お口の濃い人』パートナーズ

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遠山景織子(とおやま・きょおこ)

1975年生まれ。東京都出身。1990年に芸能界に入り、1993年公開映画「高校教師」(監督:吉田健)でヒロインに選ばれ、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞を始め数々の新人賞を受賞。以降、ドラマ、映画、舞台に多数出演。また、バラエティー番組「笑う犬の生活」(フジテレビ)でレギュラー出演し、さまざまなコントにチャレンジし人気を博す。12月20日(金)よりこくみん共済coopホール/スペース・ゼロにて、舞台「巌窟王」に出演。

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