音楽ライターの田家大知さんが、2012年に手探りでスタートさせた6人組ニューウェーブアイドルグループ「ゆるめるモ!」が、なんと、ついに映画初主演! 題して『女の子よ死体と踊れ』。もともとのファンはもちろん、彼女たちを初めて知る人も、映画を観たあとは、きっとゆるめるモ!ちゃんたちを応援したくなってるはず。メガホンをとったのは、残虐描写たっぷりの本格スラッシャー映画『クソすばらしいこの世界』(2013)で長編映画デビューを飾った、朝倉加葉子監督! 次世代ホラーを担う美しいお姉様が、どんな風にゆるめるモ!とコラボったのか!を、聞いてみました。
※ちなみに来週は、『女の子よ死体と踊れ』主演のゆるめるモ!のメンバーのインタビューをお届けする予定です!
──脚本も手掛けている朝倉監督。ストーリーや世界観は、どのように着想を得ましたか?
「ゆるめるモ!でホラーを撮りませんか?というのが、初めの依頼でした。で、実際に彼女たちを改めて見て、どんな話なら彼女たちの魅力を表現できるのかな?といろいろ考えた結果、「死体!」だと(笑)。純粋なホラーというよりは、死体の女の子と一緒に冒険に行く映画にするのがいいのではないかと思ったんです」
──死体役はあのさんが演じていますが、初めから彼女が死体と決めていましたか?
「メンバーのみなさんに一人ずつ会わせてもらって、いろいろお話をする中で、あのちゃんが死体に向いてる......と思ったわけではなくて(笑)。あのちゃんの瞬発力が、この役には向いてるんじゃないかなと思いました」
──撮影が始まる前と終わったあと。メンバーに変化はありましたか?
「もねちゃんは、これの前にも一本映画に出ていますが、基本的にはみんな映画出演は初めての体験だったと思います。なので、初めは映画の撮影がどのように行われるのかを知ってもらうようなところからのスタートでした。撮影はみんなで山に籠もって5日間ぐらい。吸収も早いし、撮影を重ねるごとに、どんどんやりやすそうになっていっているように見えました。わりと頭から順番通りに撮っていったので、彼女たちが役者として変化していく様子も、映画を通して見て頂けるかもしれません」
──山中での合宿はかなり過酷だったそうですが?
「天候に恵まれ、とても寒くて大雨が降り、本当にけっこう散々で......(笑)。雨がめちゃめちゃ降ってしまって、シナリオや設定を変えなければならなくもなりました。でも一番きつかったのは、私含め、主要スタッフ4人ぐらいのiPhoneが、雨ざらしのポケットの中で水没したことかな。山の中で、あいつはどこいったー! わかんなーい!って(笑)、そんな混乱状態が帰ってくるまで続きまして、東京に戻ってからも片付けなどで忙しいスケジュールの合間に、おのおのアップルストアに行く予定を組み込まなくてはならないという、辛い日々でした(笑)」
──最後に、朝倉監督の好きな映画はなんですか?
「オールタイムなら『悪魔のいけにえ』です。2も好きだし、3Dも好きなんですが、1が一番好きです。ホラー映画だけど、ホラー映画じゃないみたいというか。生々しくて、まるで自分も映画の中にいるような感じがするんです。
最近だと、スペインの『MAMA』というホラー映画が、自分の中でバカ当たりしましたね。スペイン版リングのような話なんですが、森の中で育った姉妹がいて、発見された時は言葉もしゃべれなくて狼少女みたいな感じなんです。その子たちの親戚にあたる人たちが引き取るんですが、どうやら森の中でちゃんと誰かに育てられていたみたいだと。それは一体誰なのか......。ホラーとしてちゃんと怖いんですけど、非常にハートウォーミングで、超感動する映画です」
朝倉加葉子監督、ありがとうございました!
(撮影/中野修也 取材・文/根本美保子)
***
『女の子よ死体と踊れ』
10月31日(土)よりシネマート新宿、11月14日(土)よりシネマート心斎橋、名古屋シネマスコーレ、12月5日(土)より仙台・桜井薬局セントラルホール、12月12日(土)より広島・横川シネマ、12月19日(土)より福岡・中洲大洋映画劇場ほか全国順次公開!
監督・脚本:朝倉加葉子
主演:ゆるめるモ!(もね、けちょん、しふぉん、ようなぴ、あの、ちーぼう)
配給:日本出版販売
2015/日本映画/70分
公式サイト:http://ymm-film.com
©2015 YOU'LL MELT MORE!Film Partners