インタビュー
映画が好きです。

Vol.19 ガブリエレ・ムッチーノさん(映画監督)

『幸せのちから』を好きになってくれた人は間違いなく感動するよ!

 日本でも大ヒットを記録した『幸せのちから』で、世界中を涙で包み込んだガブリエレ・ムッチーノ監督の最新作『パパが遺した物語』がいよいよ10月3日(土)に公開! 「『幸せのちから』を好きになってくれた人は間違いなく感動するよ」と自信たっぷりなガブリエレ・ムッチーノ監督に、電話でインタビューしました!

──主演のラッセル・クロウも号泣したという脚本、監督が最初に読んだときの感想は?

「光や影など人生のさまざまなニュアンスがあり、色んな角度から楽しめる内容だと思いました」


──アマンダ・セイフライドとのお仕事はいかがでしたか?

「監督の使命は、すべてのキャストを感情的にギリギリのところまで追い込むことだと思っています。アマンダやラッセルに対してもそうしてきましたが、特にアマンダが演じたケイティは、とても破滅的な女性でありながらも観客にとってはどこか愛すべき人物でもいなければならない、難しいキャラクターでした。撮影中は、"ケイティの心の奇跡が観客にも伝わるように演じてほしい"と、彼女に伝えました」

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トラウマを抱えた娘・ケイティ役を演じた、アマンダ・セイフライド

──撮影で最も苦労したことは?

「これまでに10作品くらい監督をしてきましたが、幸いなことに俳優たちが全幅の信頼を置いてくれていることが多く、困難と感じたことはありませんでした。今回も同じです。子役が泣くシーンなど難しいシーンは多々ありましたが、とにかく俳優のパフォーマンスが素晴らしかった。彼らがこの映画を成功へ導いてくれました」


──ラッセル・クロウが演じた父・ジェイクに共感したシーンは?

「僕自身も父親なので、脚本を読んだときからジェイクを自分と重ね合わせ、感情を揺さぶられるシーンがたくさんありました。ジェイクは小説家、私は映画監督と、ジャンルこそ違えど同じ"クリエイター"ですし、さらにキャストの中には僕の子どもと同じ年齢の子がいたりもして。ですから余計に、仕事と娘との時間との両立に四苦八苦している姿には共感し、涙しました。とにかく娘を立派に育て上げたいけれど、たくさんの障害があるという境遇も、自分自身ととても似ていました。
 ところで、僕には息子が2人、娘が1人いますが、父親と娘の関係と、父親と息子の関係はまったく違うと思います。息子との関係は言わば旅を共にするバディのような感じですが、娘に対して父親がしてやれるのは、逃げ場やほっとする場所を与えてあげることなんじゃないかと、思っています」

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交通事故で妻を失い、自身も事故の後遺症を抱える、作家で父のジェイク役に、ラッセル・クロウ。

──数々の感動作を生み出しているムッチーノ監督ですが、監督自身が最も感動した映画は何ですか?

「『クレイマー、クレイマー』ですね。偶然の一致と言っていいのかわかりませんが、『パパが遺した物語』にも子どもに自転車を教えるシーンがあるんです。自転車の乗り方を子どもに教えるというのは、人生を乗り切ることのメタファーでもあると思います」


──最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

「心を揺さぶられるような感動を味わいたいという方にオススメしたいです。前作の『幸せのちから』を気に入ってくれたお客さんであれば、本作もきっと気に入っていただけると思います。日本で公開されるときはイタリアに行く予定と重なり、残念ながら来日はできませんが、日本の観客たちの反応を楽しみにしています。直接反応を見られないことが本当に残念です。「Bookstand映画部!」は、友達がいない人のための映画サイトですよね。この映画は一人で見に行くのにすごく向いていますよ。やっぱり自分の弱さや人生と重ねてしまうから、周りにどう見られるとか気にせず観に行って、人生にひたるのがオススメです(笑)」

ガブリエレ・ムッチーノ監督、ありがとうございました!

(取材・文/アヤカ)

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『パパが遺した物語』
10月3日(土)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
出演:出演:ラッセル・クロウ、アマンダ・セイフライドほか
配給:ギャガ

原題:『FATHERS&DAUGHTERS』
2015/アメリカ・イタリア/116分

公式サイト:http://papa.gaga.ne.jp/
©2014 FATHERS & DAUGHTERS NEVADA, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

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ガブリエレ・ムッチーノ

1967年5月20日、イタリア・ローマ出身。 『That’s It (Ecco Fatto)』(98)で長編監督デビュー。ウィル・スミスと実の息子のジェイデン・クリストファー・サイア・スミスの共演で話題を呼んだ大ヒット作『幸せのちから』(06)でハリウッド進出。その他の監督作に、『7つの贈り物』(08)、『もう一度キスを』(10)、『スマイル、アゲイン』(13)などがある。

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