船江恒平六段、年齢制限に苦悩した奨励会時代

撮影:藤田浩司
船江恒平(ふなえ・こうへい)六段の講座「終盤は筋よく指そう」。2017年8月号のテーマは「速度計算」です。将棋は相手よりも先に敵玉を捕まえることができれば勝ち。いわば競争です。自分と相手、どちらが先に玉へたどりつくことができそうか。それを考えることが速度計算です。

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■年齢制限が迫りくる奨励会時代の苦悩 焦らずに地力強化を

盤上における速度計算では、自分の玉と相手の玉を比較しています。プロ棋士を目指す人は段、級位と年齢を天秤にかけることになります。
プロ棋士を養成する奨励会には年齢制限があり、21歳までに初段、26歳までに四段にならないと退会です。私と同期の糸谷哲郎八段は6級で約2年も停滞しました。のちの活躍を見れば信じられませんが、その壁を抜けたあと、彼は順調に四段まで駆け上がっていったのです。
最近では宮本広志五段が年齢制限を過ぎて、三段リーグの勝ち越し延長の末に昇段しました。遅咲きのデビューでしたが、2年目に順位戦でC級1組に。昇級、昇段は早いに越したことはないですが、それよりも大事だなと思うのは停滞しても腐らずに力をつけることだと思います。
■『NHK将棋講座』2017年8月号より

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