月見の季節に楽しむ茶事の料理

料理は本来亭主自身が調理しますが、献立や器選び、客の嗜好などを吟味し、料理方と相談して調理する場合もあります。また、亭主自ら相伴し、盛り付けや味付けを確かめます 撮影:宮村政徳
茶事の料理は濃茶をおいしくいただくためのもので、旬の食材を吟味することが大切です。旬のものは味が濃く香りもよく、楽しみを深めてくれます。
とりわけ実りの秋には、里芋やさつまいも、茄子(なす)、かぼちゃ、椎茸(しいたけ)やしめじ、枝豆など野菜が豊富です。また、柿や栗も実ります。魚も鱧(はも)や鮎(あゆ)、鯖(さば)や魳(かます)も出回って、食材には事欠きません。
献立を考えるときはこうした食材をバランスよく取り入れ、彩り、器との取り合わせなど、客に五感で味わってもらえるよう心を配りましょう。

■月見


煮物椀:丸豆腐、すっぽん、生姜(しょうが)
器:金銀日月椀

八寸:占地(しめじ)と菊菜のお浸し、秋茄子生雲丹(うに)のせ、枝豆豆腐、衣(きぬ)かつぎ、車海老、子持昆布、温玉味噌(みそ)漬、鯖寿司(ずし)
器:月見木地八寸
■『NHK趣味どきっ! 茶の湯 武者小路千家 残暑から初秋を楽しむ茶会』より

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