すべての野菜に共通!「よい苗」の条件とは

イラスト:ニシワキタダシ
きちんと管理され、大切に育てられてきた「よい苗」は、どんな種類の野菜でも6つの条件を満たしています。恵泉女学園大学人間科学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんに解説してもらいました。

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野菜作りでは「苗半作(なえはんさく)」といわれます。よい苗を選んで植えれば、半分は成功したようなものだ、という意味です。では、よい苗とは、どんな苗なのでしょう。
1 双葉が2枚とも残っている
双葉には、初期の生育に必要な栄養分が蓄えられています。双葉が2枚とも残っていると、植えつけ後も順調に育ちます。
2 根がポリポットの底から少し見えている
根が張り、植えつけ適期の大きさになっている証拠です。ただし、底穴から根がたくさん出ているのは老化苗。植えると根づくのに時間がかかり、地上部の生育が遅れます。
3 ヒョロヒョロしていない
茎や葉がヒョロヒョロの苗は、日当たりが不十分な環境下で育てられた可能性が。植えつけ後の生育も悪くなります。葉と葉の間隔が狭く、ガッチリとした苗を選びましょう。
4 下のほうの葉が枯れていない
株の下のほうの葉が黄色く枯れているのは、株が老化しているため。植えつけ適期の状態を過ぎており、植えると2と同じ現象が起こります。
 
5 葉の色が濃い
老化しておらず、肥料切れも起こしていない証しです。植えつけ後は順調に育つでしょう。
6 病害虫の被害がない
苗は、人に例えると乳幼児。まだ体力のない苗の時点で病気や害虫に侵されていると、手の施しようがなく、植えつけても元気に育たない可能性が高くなります。
さらに、野菜には種類ごとに、植えつけに適した苗の大きさがあります。大きすぎても小さすぎても植えつけ後の生育が悪くなるため、その野菜に適切なサイズの苗を選びましょう。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2017年8月号より

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