キャベツの芯は茎? それとも葉?

撮影:栗林成城
多くの人々に親しまれているキャベツ。ここでは知っていそうで知らない、キャベツのうんちくを恵泉女学園大学人間科学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんに教えてもらいました。栽培するときの参考になることがいっぱいです。

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■芯は茎? それとも葉?

「キャベツの芯」といわれる部分は、じつは茎です。茎の先端には成長点があり、そこから葉が次々と展開します。ちなみに葉は5枚つくと一周するので、茎の断面は五角形に近い形になっています。
この茎の先端には、春になると花芽(はなめ)がつきます。葉と葉のすき間が伸びて茎が長くなり、花が咲きます。
 
 

■キャベツが丸まるワケ

キャベツの葉が巻き始めるのは、本葉17〜20枚の大きさのころ。これを「結球」といい、生理学的にはオーキシンと呼ばれるホルモンが関係しています。最初は外側に広がっていた葉は、枚数が増えるにつれて内部の葉が立ち上がってきます。やがて日光が当たる葉の裏側の細胞分裂が進み、表側より早く成長して内側に折れ曲がることで、葉が巻き始めるのです。

■キャベジンはほかの野菜にも含まれる?

キャベツの栄養でまず思いつく「キャベジン」。キャベツの汁から発見された物質ですが、ブロッコリー、レタス、セロリ、アスパラガス、牛乳などにも含まれています。胃酸の分泌を抑えたり、胃腸の粘膜の修復を助けるなどの効果があることから、市販の胃腸薬にも取り入れられています。
栄養学的には「ビタミンU」と呼ばれますが、正式なビタミンではなく、ビタミンに似た物質と区別されています。水溶性のため、洗うときは水に長時間さらさないようにしましょう。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2017年8月号より

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