どれがいちばん好き? とうもろこし徹底食べ比べ

撮影:三浦英絵
夏に旬を迎える“とうもろこし”。伝統野菜に新種も加わり、売り場は百花繚乱。そんな夏を代表する野菜を、東京・神楽坂で「八百屋 瑞花(すいか)」を営む矢嶋文子(やじま・あやこ)さんと、料理研究家の加藤巴里(かとう・ぱり)さんが食べ比べて、徹底検証しました。さて味は? 適している料理は?

* * *


■甘いのがお好き? それとも歯ごたえしっかりタイプ?

—— 今回の食べ比べは、味の特徴がよくわかるように、蒸して加熱しました。
矢嶋さん(以下矢嶋) とうもろこしは大好きなので、食べ比べは楽しみです。
加藤さん(以下加藤) 私もです。よろしくお願いします。
矢嶋 定番の味からいきましょうか。ゴールドラッシュと恵味は市場に多く出回っている品種です。食べ慣れた味ですよね。
加藤 恵味のほうが、皮が薄くて口に残らない印象です。甘いコーンの缶詰のよう。
矢嶋 ゴールドラッシュは穀物って感じが強いです。しょうゆを塗って“焼きとうもろこし”で、おやつ感覚で食べたくなります。
加藤 わかります〜。甘みと粒感を生かして“とうもろこしご飯”もおいしいと思います。お米2合に対して1本分の実をほぐして、味つけは塩小さじ1くらいで。とうもろこしの芯も一緒に炊いて、香りとうまみをプラスします。芯がいい仕事をしてくれるんです。
矢嶋 いいですね〜、味の想像ができます。食べたい! 夕ごはんにつくっちゃおう。
——キラキラ85はどうでしょうか?
矢嶋 こちらはスイートコーンの中で、いちばん甘みの強いタイプです。
加藤 驚きの甘さ! 皮が薄くてプチプチ弾ける感じです。
矢嶋 ざくろを食べているみたい。みずみずしさもあって味のバランスがとてもいいですね。
加藤 食べ終わると次の一本に手が自然とのびる! おいしいです。
矢嶋 これは味つけや手を加えずに、蒸したまま食べたいですね。おやつにピッタリ。
加藤 賛成です!
—— 次はバイカラーのハーモニー83です。見た目のインパクトがあります。
矢嶋 ちょっとウンチクを言わせてください。バイカラーは黄色と白が3対1の割合で入っているの。双方のいいとこどりですね。
加藤 味はさっぱりしているけど、クリーミーさがあります。
矢嶋 とうもろこしのミルクって感じかな。豆乳っぽい。後味の余韻も長いですね。
加藤 ホワイトソースと合わせてみたいです。程よい甘さとコクがあるから、炒めたたまねぎを加える必要がないくらいです。
矢嶋 ホワイトソースだったらピュアホワイトもいいかも。
加藤 実はこの白いとうもろこしを見た瞬間から、真っ白いコーンスープをつくりたいって思っていました。何も言わずに出したら、絶対じゃがいものスープと間違えるかな〜って。
矢嶋 楽しそう(笑)。皮が柔らかくて甘みもあるから、サラダに散らすのもおすすめです。
——質問です。この5種類の中でいちばん好きなとうもろこしはどれですか?
矢嶋・加藤 いっせいの……。
——なんと。ふたりとも味のバランスがいいキラキラ85を選びました。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2017年8月号より

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