プランター菜園 夏の暑さ対策

水やりはまだ涼しい午前9時までに済ませよう。撮影:渡辺七奈
真夏の強い日ざしと高温は、野菜にとっても過酷です。特に、土の容量が限られるプランター栽培では温度の影響を受けやすく、野菜が大きなダメージを受けることも。プランターの置き場所を工夫し、適切に水やりするなど、株を弱らせないようにケアをして、暑い夏を乗り切りましょう。園芸家の深町貴子(ふかまち・たかこ)さんが指南します。

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■夏のプランターは蒸し風呂状態!?

温度が高い夏、直射日光が当たるとプランター自体も熱をもち、内部の温度がどんどん上がります。閉ざされた狭い空間なので、熱がこもり、炎天下に直(じか)置きされたプランターの土中の温度は50℃を超えることも。野菜が、うまく育たない原因になります。
植物は、暑くなると気化熱を利用して体温を下げようとするため、根から水を吸い上げ、葉の気孔から水蒸気を放出させる蒸散活動が活発になって、水切れを起こしやすくなります。かといって、温度が高い日中に水やりをすると、プランター内で熱湯のようになり、根が傷む原因に。
また、植物が育って葉が茂ってくれば、葉が株元に日陰を作りますが、縦に伸びる野菜や、まだ株が小さいときには、土の表面に直射日光が当たり、さらなる土の温度上昇を招きます。そんなときは、バークチップやヤシ殻繊維で土表面を覆うのも効果的。さらに、氷水で水やりすると、土自体が冷え、プランター内の温度上昇を抑えることができます。
まずは、プランター置き場の気温を測り、涼しい場所に置くことが大切。そのうえで、プランター内の温度が上がらないように管理しましょう。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2017年7月号より

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