藤井聡太四段、NHK杯本戦初戦で前期勝数1位・千田翔太六段と激突
- 左/千田翔太六段、右/藤井聡太四段 撮影:河井邦彦
前人未踏の29連勝という大記録を打ち立てた藤井聡太(ふじい・そうた)四段。NHK杯1回戦は、2016年度勝数1位の千田翔太(ちだ・しょうた)六段との対局だった。鈴木宏彦さんの観戦記から、序盤の展開をお伝えする。
※段位、記録は放送時のものです。
[初手からの指し手]
▲7八金(1図)
* * *
■デビュー以来負けなし
天才少年・藤井聡太。史上最年少のプロ棋士誕生が騒がれたのは昨年9月だが、それからなんと、12戦全勝でこのNHK杯本戦を迎えた。
その活躍はもはや社会現象になっていて、このNHK杯戦の勝敗結果も速報で流されることになった。まさに異例のことだ。
対戦するのは2016年度対局数及び勝数1位の千田六段。うわさの天才少年が、前期最も活躍した若手棋士に挑戦する図式である。文句なしの注目局に千田の初手は▲7八金(1図)。藤井は平然と応じ2図になった。
■升田賞受賞の戦型
2016年度の千田は48勝17敗。最後に挑戦者になった棋王戦は惜しくもタイトルを取れなかったが、独特の序盤戦術を駆使して旋風を巻き起こした。
中でも、対矢倉左美濃急戦と角換わり腰掛け銀・△4二玉〜△6二金〜△8一飛型の工夫は高く評価され、升田幸三賞を受賞することになった。
本局は、その升田幸三賞受賞の戦型を先後双方が採用することになった。いわば、新しい同形腰掛け銀である。この1、2年でこの戦型は定跡がまったく変わってしまった。
■新しい将棋
新しい将棋の出現には将棋ソフトを使った研究が深く関わっている。それを中心になって引っ張っている棋士の一人が千田だ。そして、藤井もそうした環境に自然に溶け込んでいる。今はベテランの経験や知識が生きにくい時代。若手が活躍するのはある意味、当然なのである。
3図から▲2五歩△4四歩と進めば先後同形だが、「▲2五歩には△6五歩▲同歩△同桂の先攻があると思っていた」と藤井。実戦は千田が▲4五銀とぶつけた。4図の▲5六角まで前例のある仕掛けだ。
※投了までの観戦記と棋譜はテキストに掲載しています。
■『NHK将棋講座』2017年7月号より
※段位、記録は放送時のものです。
[初手からの指し手]
▲7八金(1図)
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■デビュー以来負けなし
天才少年・藤井聡太。史上最年少のプロ棋士誕生が騒がれたのは昨年9月だが、それからなんと、12戦全勝でこのNHK杯本戦を迎えた。
その活躍はもはや社会現象になっていて、このNHK杯戦の勝敗結果も速報で流されることになった。まさに異例のことだ。
対戦するのは2016年度対局数及び勝数1位の千田六段。うわさの天才少年が、前期最も活躍した若手棋士に挑戦する図式である。文句なしの注目局に千田の初手は▲7八金(1図)。藤井は平然と応じ2図になった。
■升田賞受賞の戦型
2016年度の千田は48勝17敗。最後に挑戦者になった棋王戦は惜しくもタイトルを取れなかったが、独特の序盤戦術を駆使して旋風を巻き起こした。
中でも、対矢倉左美濃急戦と角換わり腰掛け銀・△4二玉〜△6二金〜△8一飛型の工夫は高く評価され、升田幸三賞を受賞することになった。
本局は、その升田幸三賞受賞の戦型を先後双方が採用することになった。いわば、新しい同形腰掛け銀である。この1、2年でこの戦型は定跡がまったく変わってしまった。
■新しい将棋
新しい将棋の出現には将棋ソフトを使った研究が深く関わっている。それを中心になって引っ張っている棋士の一人が千田だ。そして、藤井もそうした環境に自然に溶け込んでいる。今はベテランの経験や知識が生きにくい時代。若手が活躍するのはある意味、当然なのである。
3図から▲2五歩△4四歩と進めば先後同形だが、「▲2五歩には△6五歩▲同歩△同桂の先攻があると思っていた」と藤井。実戦は千田が▲4五銀とぶつけた。4図の▲5六角まで前例のある仕掛けだ。
※投了までの観戦記と棋譜はテキストに掲載しています。
■『NHK将棋講座』2017年7月号より
- 『NHK 将棋講座 2017年 7月号 [雑誌] (NHKテキスト)』
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