育てやすい ラズベリーとブラックベリー

左/ラズベリー、右/ブラックベリー 撮影:伊藤善規
初心者でも比較的簡単に収穫が楽しめるラズベリーとブラックベリーについて千葉大学 環境健康フィールド科学センターの三輪正幸(みわ・まさゆき)さんに教わりました。

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ラズベリー、ブラックベリーは寒さや病害虫に強く、木がコンパクトなので育てやすい果樹です。また、主に植えつけた年に収穫でき、実つきもよいのでおすすめです。
どちらもバラ科キイチゴ属の仲間で、外見や栽培方法は似ている点とそうでない点があります。お住まいの環境や生活スタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。ラズベリーは枝が自立する傾向にあるため棒状の簡易な支柱でも支えられる一方で、とげありの品種が多い傾向にあります。ブラックベリーはとげなしの品種が多い一方で、枝が直立しないのでフェンスなどの支柱が必須です。また、ラズベリーは二季なりの品種が多く出回っており、これらは6月ごろと10月ごろの2回に分けて収穫を楽しむことができます。

■ラズベリーやブラックベリーを育てるために大切なこと

植え替え
鉢植えで育てる場合、入手後数年が経過すると鉢の中が古い根でいっぱいになり、根詰まりを起こして枝の伸びや実つきが悪くなることがあります。テキストで紹介している手順を参考に植えましょう。植え替えの適期は11〜2月です。テキストでは用土に「ブルーベリー専用の土」を使用していますが、ラズベリーやブラックベリーには「果樹・花木用の土」がおすすめです。入手できない場合は、「野菜用の土」: 鹿沼土( 小粒) を7:3で混ぜて使用するとよいでしょう。
置き場
春から秋はなるべく日当たりのよい場所に置きます。軒下などの雨が直接当たらない場所に置くことができれば、灰色かび病などの病気の発生が激減します。冬はマイナス20〜35℃以下にならない地域では屋外で冬越しさせます。
水やり
庭植えは基本的には不要です。ただし、7〜9月に2週間程度雨が降らない場合はたっぷりとやります。
鉢植えは鉢土の表面が乾いたらたっぷりとやります。春と秋は2〜3日に1回程度、夏は毎日たっぷり、冬は月に2〜4回程度が目安です。
肥料
3月に元肥として油かすなどの有機質肥料、5月に追肥として速効性化成肥料(N-P-K=8-8-8など)、9月にお礼肥として同じ速効性化成肥料(N-P-K=8-8-8など)をそれぞれ規定量施します。
■『NHK趣味の園芸』2017年7月号より

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