奇怪! 麋角羊歯と書く ビカクシダ

長さ50cmほどの細葉が立ち上がり美しい株姿を見せるプラティセリウム。撮影:田中雅也
近年、大ブレーク中のビカクシダ。伸びる葉は、まるでシカの角やコウモリの翼を思わせるダイナミックな姿で、別名、コウモリランとも呼ばれる着生植物です。園芸研究家の尾崎 忠(おざき・ただし)さんに、その特徴を教えてもらいました。

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園芸店に限らず、最近ではインテリアショップなどでも見かけるビカクシダ。自生地はアフリカからマダガスカル、東南アジアからオーストラリア、南アメリカなどで、世界の熱帯に18種が分布する着生植物です。自生地では樹木の幹や岩に着生しています。
日本で主に流通しているのは、丈夫で寒さや乾燥に強いプラティセリウム(Platycerium)・ビフルカツム。部屋に飾るのにもちょうどよい大きさのビカクシダです。板に張りつけて育てる(板づけ)とドーム状の貯水葉の中心から葉先に深い切れ込みがある胞子葉を伸ばします。熱帯の植物ですが直射日光は嫌います。冬でも5℃以上ある風通しのよい場所が栽培環境の条件。夏場ならば戸外に出してもよいのですが、葉陰になる木の枝などに吊るしましょう。強風に当てると株が傷むので、台風など天候の変化に注意を。室内なら一年中、窓際の明るい場所がおすすめです。
■『NHK趣味の園芸』2017年7月号より

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