「地這いキュウリ」って何?

実の長さが20cm程度になったら収穫する。雑草防止と果実の保護に、ワラなどを敷くとよい。撮影:福田 稔
キュウリの苗を買いに行ったところ、「地這いキュウリ」という品種が。これは一体どんなキュウリなのでしょう。恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんに教えてもらいました。

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地這い栽培用の昔ながらの品種です。
最近は農家でも家庭菜園でも、支柱を立ててつるを誘引する立体栽培のキュウリが主流ですが、以前は、つるが地面を這うように育てる「地這(じば)いキュウリ」が多く栽培されていました。地這い用の品種は、立体栽培用の品種に比べて病気や暑さに強いのが特徴です。
育て方はカボチャと同じです。本葉が6〜7枚になったら、親づる(中心のつる)の先端を切り(摘心)、子づる(わき芽が伸びたもの)を3〜4本広げて育てます。そのため、栽培には2m四方と広い場所が必要です。また、実の地面についた側が白くなって(腹白)、プロの農家にとっては商品価値が下がるうえ、腰をかがめて収穫するのが大変なことから、最近では作る人が少なくなっています。
とはいえ、栽培が簡単なので、ぜひ挑戦してみてください。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2017年5月号より

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