仕事の効率アップ! 世界がマインドフルネスに注目している理由

イラスト:小幡彩貴
「気分が落ち込む」「イライラする」「胃が痛む」といったストレスによる心身の反応を改善する手法「マインドフルネス」。最近は従業員のケアの一環として取り入れる企業も増えているといいます。マインドフルネスが注目を集める理由を医学博士で臨床心理士の熊野宏昭(くまの・ひろあき)さんに伺いました。

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マインドフルネスめい想のルーツは、仏教の教えにありますが、現在広く行われているマインドフルネスめい想には宗教色はありません。近年研究が進み、めい想が、ストレスを軽減するだけでなく、脳の活性化や創造性の発揮、仕事などのパフォーマンスを上げる効果があることがわかってきました。
脳科学の分野では、めい想中は「デフォルト・モード・ネットワーク」が抑えられることが明らかになっています。これは、何もしていないときに働く脳のネットワークで、うつになったり不安になったりするときは、このネットワークが働き過ぎているといわれています。また、めい想をすると、ストレスホルモンといわれる「コルチゾール」の分泌が抑えられ、脳内で記憶や学習をつかさどる「海馬(かいば)」の働きがよくなるという結果も出ています。
現代社会では、頑張っても成果が表れないことも多く、報われない思いで生きている人が増えています。また、大きな自然災害など、自分ではどうしようもない出来事もあります。これまでの常識で解決できない複雑な問題が多くなっているのです。
そんな時代を生きるには、答えは一つではないことに気づき、視野を広げることが必要。それこそが、マインドフルネスによってもたらされる効果で、世界の多くの企業が研修プログラムに取り入れ始めている理由です。
■『NHKまる得マガジン ストレスに負けない! 心のストレッチ はじめてのマインドフルネス』より

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