青臭い、青二才、青瓢箪...  「青」ってどういう意味なの?

目からうろこ!知っているようで知らない日本語
『目からうろこ!知っているようで知らない日本語』
宮腰 賢
評論社
1,296円(税込)
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 冬にかけて旬を迎える、ほうれん草や小松菜。これらの菜っ葉は実際には緑色なのに、「青菜」と呼ばれることもあります。

 宮腰賢著による『目からうろこ!知っているようで知らない日本語』によれば、古い日本語において、色は"赤"と"青"しかなく、緑色も"青"だったのだとか。虹の七色でいうと、赤、橙、黄色、そして紫色は"赤"、緑色、青、藍色は"青"であり、"青"はブルーだけでなく、グリーンやインジゴブルーを含むものだったのだそうです。

 さてそれでは、年が若く未熟という意味で使われる「青二才」。この"青"はどこから来ているのでしょうか?

 その答えは幕末にまで遡ります。幕末になるまで、男性は一人前になると前髪を剃り上げたそう。これを月代(さかやき)といい、その剃り跡が青く見えるのは未熟である証拠だったのだといいます。現在でも、熟れる前の果実を「まだ青い」といったり、未熟な瓢箪を「青瓢箪」といったりと、"青"は「未熟な」という意味で使われています。

 本書では、こうした日常で使うさまざまな日本語にまつわる疑問を解決。普段何気なく使っている言葉の由来も辿っていきます。もう少し見てみましょう。

 青魚の鯖から来ている「サバをよむ」という言葉。自分の都合の良いように数をごまかすときなどに使われますが、なぜ鯖なのでしょうか?

 腐りやすいため、手早く扱う必要がある鯖。数を数えるときも、「鯖読み」といって二尾ずつ数えるそう。

 「そのため数え違いをすることも多くあり、得をしようとすると、数をごまかすことも生ずるというのです」(本書より)

 さらに、人の秘密をあばいて言いふらすという意のある「すっぱ抜く」。この"すっぱ(素っ破)"というのは、中世や戦国時代の間諜、つまりスパイや忍びのこと。この"素っ破"の行動が人の意表をつき、思いもよらないところから秘密の情報を手に入れてくるため、秘密をあばいて言いふらすことを「すっぱ抜く」というようになったのだそうです。

 言葉の意味について考えてみると改めて日本語の面白さに気が付かされますが、本書はそのきっかけを与えてくれるかもしれません。

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