菜園シーズン突入前に……基本の土作り

土を手にとってギュッと握り、指で押すとくずれる。よい土の証拠。撮影:丸山 滋
本格的な菜園シーズンの前にやっておきたい、基本の土作りを紹介します。野菜に悪影響を及ぼす病害虫を減らしたり、水はけを改善したりすることで、野菜の生育が格段によくなります。恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんに教えてもらいました。

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■一から菜園にする場合

庭や空き地の土は硬く締まっていて、そのままでは野菜作りには適しません。野菜が育つ土に作り替えましょう。
雑草や小石などを取り除き、表面にコケが生えていたら削り取ります。そのあと、スコップやクワで深さ30cmのところまで掘り起こし、植物の根などをていねいに取り除きます。土の塊を砕いたら、後述のように水はけをチェックしましょう。
あとは通常どおり、タネまき・植えつけの前に石灰、堆肥(たいひ)、化成肥料をまくだけ。

■前作がわからない場合




貸し農園など、前に何を育てていたかわからない菜園でおすすめの土作りです。利用するのは石灰チッ素。センチュウ類や一年草の雑草のタネ、根こぶ病の病原菌などの駆除に効果があります。農薬としての効果を示したあとは成分が分解され、最終的には石灰分とチッ素分が残ります。
方法は簡単で、30g/平方メートルを区画全体に散布し、よく耕すだけ。春〜秋は2〜3週間、冬は1か月たってから栽培を始めましょう。

■土の水はけをチェックしよう

野菜作りに大切なのが、水はけも水もちもよく、通気性があり、肥料分を蓄える力があるフカフカの土。栽培を始める前に土の状態をチェックして、悪い場合には改善しましょう。
雨上がりの晴れた日に、適度に湿った土を握ってみましょう。フカフカのよい土は、手で握ると塊ができますが、指で押すとホロリとくずれます。一方、水もちの悪い土は握っても塊ができず、水はけの悪い土は指で押しても塊がくずれません。適切な土壌改良用資材を投入してから、通常の土作りを始めます。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2017年2月号より

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