アレ? 賞味期限の記載がない……知っておきたい焼酎の保存方法

イラスト:伊野孝行
焼酎はどのような環境で保存するとよいのでしょうか。焼酎居酒屋の店主で、焼酎文化の普及にも力を入れている高橋研(たかはし・けん)さんに伺いました。

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日本国内で販売されている焼酎には、賞味期限の記載はありません。これは賞味期限を表示する義務が法律的に課せられていないため。焼酎はアルコール度数が高いので、有害微生物などが繁殖しにくく、細菌類などの影響による品質の劣化が起こりにくいことから、賞味期限表示義務を免除されているのです。
ただし保管、保存状況によっては品質が変化することもあり、直射日光の当たる場所や、高温多湿の場所に保管していると、どうしても劣化が起こることは避けられません。開封した場合は、冷蔵庫の野菜室など、できるだけ10℃前後の場所に保管しておいたほうが安心です。
未開封の場合なら、日の当たらない暗い場所、温度変化が大きくない場所、例えば押し入れや床下収納などに保管するのがおすすめです。
また、瓶を立てたまま、しばらく放置しておくと、表面に油が浮き上がってきます。これはフーゼル油と呼ばれるもので、焼酎のうまみ成分ともなっていますが、においが気になることも。開封前であれ、開封後であれ、飲む前に瓶の上下を何度か返して、油を全体に溶け込ませておくと、油臭(あぶらしゅう)を緩和することができるので、ぜひお試しを。
監修:小林昭夫(本格焼酎の情報誌『焼酎楽園』〈現在休刊中〉編集長)
■『NHKまる得マガジン 味も香りも百花繚乱! 焼酎を楽しむ』より

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