花も紅葉も楽しめる多肉、エケベリア

大型エケベリアのカンテ。透明感のある白色に淡いピンクの縁取りの葉をもち、その美しさから「エケベリアの女王」とも呼ばれる。ふやすのが難しく、流通量は少ない。日照不足だと葉が垂れて、きれいな形を保つことができないので、日当たりのよい場所で管理する。撮影:田中雅也
いつかは手に入れたい、憧れの多肉。そんな品種の1つが春は花、秋は紅葉も楽しめるエケベリアです。多肉植物栽培家の松岡修一(まつおか・しゅういち)さんが、その魅力を紹介します。

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■株元を風通しよく保つ

中南米に180種ほどの原種があるほか、数多くの交配種が作出されています。直径3cm程度の小型種から直径50cmにもなる大型種まであります。地味な花が多い多肉にあって、小輪ながらも色鮮やかな花を春から初夏にかけて咲かせます。また、秋に日当たりのよい場所で低温に当てると、葉がきれいに紅葉するなど、1年を通じていろいろな魅力が楽しめます。
生育適温は13〜25℃で、暑すぎたり寒すぎたりすると休眠します。花が咲く3〜4月が植え替えの適期です。株を枯らす最大の要因は株元の蒸れです。枯れた下葉をこまめに取り除き、風通しをよくしましょう。ウォータースペースをとらず、用土を鉢いっぱいに入れて植えるのも効果があります。葉の間に水がたまらないよう、株の上から水やりしないのはもちろんです。

■いろいろなエケベリア

真っ白な粉で覆われた厚みのある葉が目を引く人気種、ラウイ。強光には耐えるが、高温多湿には弱いので注意。寒さにもやや弱いので、極寒時期は水を切る。日照不足だと白粉が薄くなるので、日によく当てる。また、白粉は触れるとはがれるので、なるべく葉の部分には触れないようにして管理する。

ミニマは葉が整ったロゼットにまとまる小型の原種。葉先の紅色の爪が青緑色の葉によく映える。また、春から初夏には黄色とオレンジ色のかわいい花を咲かせる。種子をとるのでなければ、株のために早めに花茎を切る。花を楽しむ場合も、半分程度の蕾が咲くまでに。子株をよく吹き群生する。

■『NHK趣味の園芸』2016年8月号より

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