最年少は4歳! 低年齢化進む少年少女認定大会
- 撮影・小松士郎
5回を戦い、その結果によって30級から四段までが認定される少年少女認定大会の東京都大会が4月24日、日本棋院において開催された。今年から、未就学児から高校生までが参加可能となり、2時間半という短期決戦に400人を超える子どもたちが挑んだ。
* * *
■最年少は4歳!
5回戦の結果で段級位が認定されるこの大会。第37回を迎えた今回からは、未就学児から高校生まで幅広い層の子どもたちが、関東近郊だけでなく静岡県や愛知県などからも参加し、404人がその腕を競い合った。
四段から初段までが認定される19路盤段位クラスから、26級から30級までが認定される9路盤クラスまで、四つのクラスに分かれて戦いが繰り広げられた。どのクラスにも4歳の子がいるなど未就学児が多く見られるように、低年齢化が進んでいることがはっきり分かる。
井山裕太七冠達成者が囲碁を覚えたのは5歳のときらしいので、どこまで強くなるのか楽しみだ。そして、参加者の3分の1が女子というのも目を引く。
優勝を目指すわけではなく全員にチャンスがあるためか、1回戦が始まる前の参加者にはそれほど緊張の色は見られない。でも、5戦全勝すると申請段級位よりも一つ上の段級位を認定されるとあって、いざ対局が始まるとまるでトーナメント戦のように石を打つ音だけが響く。
13路盤と9路盤のクラスでは小学校低学年の子や未就学児が多いため、碁石が飛び跳ねたり碁笥(ごけ)の蓋が床に落ちる音が鳴り響くが、子どもたちは何事もないかのようにひたすら盤上に集中している。
■10分で1局打てるすごさ
対局開始から10分ほどたつと、9路盤と13路盤のクラスだけでなく、19路盤クラスの対局でも、半分以上の盤面で整地が行われていた。アキ隅を2か所以上残して乱戦に突入し、最後は半目勝負というような激しい碁が多いなど、子どもたちの集中力は底が知れない。
段位クラスでは20分の持ち時間があり、対局時計を使用するのだが、ほとんどの子にとって時計は不要と言えるくらい、とにかくみんな早打ちだ。
そんな中、段位クラス最年少の4歳の男の子が、時間をぎりぎりまで使いベテランのような手つきで時計のボタンを早押しする姿に、観戦しているお父さんお母さん、そして審判長の岡田結美子六段もくぎづけになっていた。
2時間半の濃厚な経験が、子どもたちの棋力を大幅に上げただけでなく、満足感も与えたに違いない。
■親子で囲碁を!
子どもたちに囲碁の魅力を聞いてみると、勝つことや石を取ることが楽しいという意見がいちばん多かった。そんな中、「日頃のストレスを思う存分晴らすことができる」という感想も。これからの時代、囲碁はいろいろな意味で子どもたちの役に立っていきそうだ。
また、子どもたちの対局を待つ控え室をのぞくと、驚いたことにお父さんとお母さんが対局を楽しんでいる姿も見えた。あるお父さんに話を伺うと、1年前にお嬢さんと一緒に囲碁を始めたところ、今では全く歯が立たなくなってしまったそうだ。「娘にばかにされるのが悔しい」という一念から、もっぱら猛勉強中とのことで、この日も売店で囲碁の書籍を買いあさっていた。
近い将来、家族で囲碁を楽しむのが普通の光景になるのも、夢ではないかもしれない。
■『NHK囲碁講座』2016年7月号より
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■最年少は4歳!
5回戦の結果で段級位が認定されるこの大会。第37回を迎えた今回からは、未就学児から高校生まで幅広い層の子どもたちが、関東近郊だけでなく静岡県や愛知県などからも参加し、404人がその腕を競い合った。
四段から初段までが認定される19路盤段位クラスから、26級から30級までが認定される9路盤クラスまで、四つのクラスに分かれて戦いが繰り広げられた。どのクラスにも4歳の子がいるなど未就学児が多く見られるように、低年齢化が進んでいることがはっきり分かる。
井山裕太七冠達成者が囲碁を覚えたのは5歳のときらしいので、どこまで強くなるのか楽しみだ。そして、参加者の3分の1が女子というのも目を引く。
優勝を目指すわけではなく全員にチャンスがあるためか、1回戦が始まる前の参加者にはそれほど緊張の色は見られない。でも、5戦全勝すると申請段級位よりも一つ上の段級位を認定されるとあって、いざ対局が始まるとまるでトーナメント戦のように石を打つ音だけが響く。
13路盤と9路盤のクラスでは小学校低学年の子や未就学児が多いため、碁石が飛び跳ねたり碁笥(ごけ)の蓋が床に落ちる音が鳴り響くが、子どもたちは何事もないかのようにひたすら盤上に集中している。
■10分で1局打てるすごさ
対局開始から10分ほどたつと、9路盤と13路盤のクラスだけでなく、19路盤クラスの対局でも、半分以上の盤面で整地が行われていた。アキ隅を2か所以上残して乱戦に突入し、最後は半目勝負というような激しい碁が多いなど、子どもたちの集中力は底が知れない。
段位クラスでは20分の持ち時間があり、対局時計を使用するのだが、ほとんどの子にとって時計は不要と言えるくらい、とにかくみんな早打ちだ。
そんな中、段位クラス最年少の4歳の男の子が、時間をぎりぎりまで使いベテランのような手つきで時計のボタンを早押しする姿に、観戦しているお父さんお母さん、そして審判長の岡田結美子六段もくぎづけになっていた。
2時間半の濃厚な経験が、子どもたちの棋力を大幅に上げただけでなく、満足感も与えたに違いない。
■親子で囲碁を!
子どもたちに囲碁の魅力を聞いてみると、勝つことや石を取ることが楽しいという意見がいちばん多かった。そんな中、「日頃のストレスを思う存分晴らすことができる」という感想も。これからの時代、囲碁はいろいろな意味で子どもたちの役に立っていきそうだ。
また、子どもたちの対局を待つ控え室をのぞくと、驚いたことにお父さんとお母さんが対局を楽しんでいる姿も見えた。あるお父さんに話を伺うと、1年前にお嬢さんと一緒に囲碁を始めたところ、今では全く歯が立たなくなってしまったそうだ。「娘にばかにされるのが悔しい」という一念から、もっぱら猛勉強中とのことで、この日も売店で囲碁の書籍を買いあさっていた。
近い将来、家族で囲碁を楽しむのが普通の光景になるのも、夢ではないかもしれない。
■『NHK囲碁講座』2016年7月号より
- 『NHKテキスト 囲碁講座 2016年 07 月号 [雑誌]』
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