作りやすく、収穫量も多い! サツマイモ栽培のポイント

撮影:阪口 克
サツマイモは、菜園の優等生です。手をかけずにどっさりとれて、しかもおいしい。秋の収穫祭の、まさに主役です。恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんにサツマイモ栽培のポイントを教えてもらいました。

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■栽培期間は長いが、手がかからない

サツマイモの魅力は、強健な性質と作りやすさ、収穫量の多さにあります。特長は、[1]連作障害(れんさくしょうがい)が起きにくい、[2]土質を選ばず栽培できる、[3]少ない肥料で育つ、[4]暑さと乾燥に強く、生育が旺盛、[5]致命的な病害虫の被害が少ない、[6]植えつけ後はほとんど手がかからない、[7]単位面積当たりの収穫量は作物のなかではトップクラスで、コメより多い、[8]各種のビタミンとミネラルが多く低カロリー、などさまざま。まさに家庭菜園向きの野菜なのです。一方、熱帯原産で寒さにやや弱い、過湿が苦手、つるが繁茂する、などがウイークポイントですが、それぞれ対応策があるので大丈夫。
植えつけ適期は、今。秋にはホクホクのイモをどっさり収穫です

■ゴロゴロとれるサツマイモ栽培のポイント

 
ポイント1 つるボケ予防のため、化成肥料は控えめに
吸肥力(きゅうひりょく)が強く、少ない肥料でよく育つ。チッ素肥料が多いと、つるは旺盛に茂るがイモのつきが悪くなる「つるボケ」を起こすので、化成肥料(N-P-K=8-8-8)の分量は一般的な野菜の1/3〜1/4に抑え、草木灰(そうもくばい)でカリ分を補う。
ポイント2 水はけが大事 30cmの高畝(たかうね)に
乾燥に強く、水はけのよい土を好む。有名な産地に火山灰土や砂地が多いのは、このため。一般的な畑では、高さ30cmの高畝を作ってさし苗を植える。高畝は通気性がよく、収穫量もアップする。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2016年6月号より

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