大山康晴十五世名人のふるさとで大盛り上がり! 「将棋の日」in 倉敷

会場の倉敷市民会館には、全国から多くの将棋ファンが詰めかけた。写真:藤田浩司
平成27年11月22日、「将棋の日」の公開収録が岡山県倉敷市で行われた。倉敷市は、将棋界発展に尽力した大山康晴十五世名人のふるさと。大いに盛り上がった収録の模様をレポートする。

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倉敷駅から徒歩15分ほど、美観地区を抜けると会場の倉敷市民会館がある。収録前には指導対局やサイン会が行われ、雰囲気は徐々に盛り上がる。
午後、収録がスタート。今年は将棋連盟会長の谷川浩司九段や、郷田真隆王将をはじめとして、23日の倉敷藤花戦で対決する甲斐智美倉敷藤花と里見香奈女流三冠など、18名のトップ棋士・女流棋士が出演した。
第1部はチーム対抗トップ棋士リレー対局。行方尚史八段と佐藤天彦八段の「チーム大山一門」対、山崎隆之八段と菅井竜也七段の「チーム山陽」戦。
チーム山陽は山崎八段が石田流模様から▲7九角など「自由に絵を描く」手を連発、主導権を握る。会場は大盛り上がり。「これは『山陽システム』でしょうか」と解説の島朗九段も楽しそう。ただしそこはチーム大山一門、「忍」の一字で耐え忍び、「いつか牙をむく」(佐藤八段)構えを取り、好局となった。
しかし中盤過ぎから「ここ数手、読み筋が一緒」(菅井七段)になったチーム山陽が優勢に。最後は鮮やかな捨て駒の連続で相手玉を即詰みに討ち取った。
局後、山崎八段の「チームワークが予想以上によくて」の自画自賛に対して菅井七段は「やっぱり将棋は一人でやるものなのかなと」。会場は爆笑に包まれ、第1部が終了した。
第2部は毎年恒例の「次の一手名人戦」。郷田王将対久保利明九段の一戦。「久保九段の振り飛車を郷田王将がどう封じ込めるか」(行方八段)が見どころとなるこの対局は、「公式戦さながら」(谷川九段)の迫力ある内容になった。
■『NHK将棋講座』2016年2月号より

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