食べる米と酒米は違う! 4大酒米の特徴とは

撮影:奥山淳志
日本酒の原料となる米と、食用の米は違うということをご存じでしたか? エッセイストで酒ジャーナリストの葉石かおり(はいし・かおり)さんが解説します。

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日本酒が米でできていると聞くと、私たちが毎日食べている「ご飯」を思い浮かべるかもしれません。しかし、酒造りにはこうした食用米ではなく、専用の酒米(さかまい)が使われます。酒米は磨いて使うため、粒が大きく、心白(しんぱく)が多いのが特徴です。心白とは、米の中心部にある乳白色の部分のこと。心白があることで、麹菌の菌糸が中に入り込みやすくなり、酒造りに欠かせない米のでんぷんの「糖化」が促進されるのです。このような酒造りに適した米のことを「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」といい、その数は全国で100種以上もあります。
一方、いったん消滅した古い品種を復活させたり、雑味が出やすいといわれる食用米などを使った酒造りに、あえて挑戦している蔵元も毎年増えています。

■4大酒米はこれ!

山田錦(やまだにしき) 兵庫県
日本酒を代表する酒米の王様。粒が大きく、心白も適度な大きさ。日本酒を安定して造ることができる。香りが高く、上品な味わいの酒が生まれる。
雄町(おまち) 岡山県
日本最古の酒米といわれ、栽培が難しいため一時は「幻の米」といわれたことも。味の幅が広く、コクがあり、造りによっては野性的な味にも、つやのある酒にも仕上がる。
五百万石(ごひゃくまんごく) 新潟県
特徴は、爽やかでキレのある味わい。山田錦や雄町よりも稲の背丈が低く、栽培しやすいのが特徴。新潟、北陸を中心に栽培されている。
美山錦(みやまにしき) 長野県
軽快でスッキリとした味の酒に仕上がりやすい。寒冷地での栽培に適した品種のため、信州だけでなく、北関東や東北地方でも多く生産されている。
■『NHKまる得マガジン きょうから飲み方が変わる! 日本酒のいろは』より

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