まつたけが「天然物」しかない理由とは

イラスト:前田はんきち
秋の味覚を代表する食材のひとつ、まつたけ。まつたけには天然物しかないということをご存じでしたか? その理由を日本きのこ学会に聞きました。

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食用きのこは、栄養のとり方によって「腐生性(ふせいせい)きのこ」と「菌根性(きんこんせい)きのこ」に分けられます。腐生性きのこは倒木や切り株など死滅した木や落ち葉の養分を分解して吸収するタイプ。菌根性きのこは木の成分を分解する力はなく、菌糸が木の根の周りにとりつき、木から栄養をもらっている共生タイプです。
現在、人工栽培ができるのは、ほとんどが腐生性きのこで、菌根性きのこの栽培方法は確立されていません。高級きのことして有名なまつたけは菌根性で、生きているアカマツにしか生えません。また外国の高級きのことして有名なトリュフも菌根性。どちらも山でしかとれないから希少価値が高くなるのですね。まつたけの人工栽培は業界の悲願ともいわれているそうです。菌根性でも、ほんしめじのように一部成功している例もありますから、いつかはまつたけも安定した人工栽培ができる日がくるかもしれません。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2015年10月号より

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