まずはピンと来たものを! ラケット選びのポイント

「グリップの形や太さのこだわりは人それぞれ」と神尾さん。撮影:鯉沼宣之
テニスは、日々進化し続けています。トッププロの世界では、数年前まで主流だった打ち方が今はもう古い、という変化の激しい時代です。その進化を支えているのがラケットです。それは、普通にテニスを楽しむ私たちにとっては、「ラクにいいショットが打てるようになった」ことを意味します。
久々にテニスに挑戦する皆さんのための講座『NHK趣味どきっ! 現代テニスで再デビュー ラク楽“エース”を決めよう』では、20年〜30年前とは大きく様変わりしたテニスの常識や技術を詳しく解説しています。講師の元プロテニスプレーヤーで、現在はワールドジュニア日本女子代表監督を務める神尾 米(かみお・よね)さんに、大切な相棒となるラケットの選び方を教えてもらいましょう。

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■まずはピンと来たものを

久しぶりにショップへ行くと、ずらりと並んだラケットに圧倒されてしまいますよね。ここから1本を選ぶとなると、大変です。
ストロークがメインでラケットをブンブン振り回したい人には、ラケットのフェイスは小さめで、フレームもさほど厚くないものがおすすめです。女性や、あまりラケットを振らない人は、軽くてフェイスは大きめで、フレームは厚めのものが、ボールがよく飛ぶため使いやすいでしょう。
どんなラケットを選ぶべきかわからないときは、好きなデザインのものや、好きな選手が使っているモデルを選んでみましょう。自分の手の代わりになる道具ですから、なにかお気に入りの理由があると愛着が湧くはずです。一つ選んだら、そこから、少しずつ自分に合ったタイプのものを探していきます。

■購入は、試打をしてから

実際に購入する前に、できるだけ試打をしてみましょう。テニス専門のショップやテニススクールでは、試打ラケットを数日間貸し出してくれるところや、店内で試打ができるところもあります。
ラケットを振ってみて、気持ちよく振り抜けるかどうかを確かめましょう。ヘッドがもたついて出てこなかったら、バランスが合っていないか、ラケットが重すぎることが考えられます。ボールが当たった感覚に乏しかったり、すっぽ抜けたりしてしまうようなら、ラケットが軽すぎるのかもしれません。何本も振ってみて、振りやすいものを選びましょう。
グリップにもいろいろと種類があります。平たいもの、正六角形に近いものなどメーカーによっても違いがあります。グリップの太さは通常1〜3段階です。女性なら1〜2、男性なら2〜3が多いようです。人によって好みが分かれるので、実物を握ってみて、一番力の入る太さを探してください

■ガット選びとテンションも重要

ボールが直接当たるガットは、ラケット選びと同じくらい重要です。ガットを張る硬さ(テンション)は、ラケットによって適正テンションが決まっているので、自分のプレースタイルに合わせて、ショップスタッフやコーチに相談してみましょう。一般的に、軟らかく張るとボールの飛びがよく、回転もかけやすくなります。硬く張るとコントロールはよくなりますが、ボールは飛ばなくなります。
ガットの素材は、いくつか種類がありますが、お財布が許すなら、牛や馬の腸などで作られたナチュラルがおすすめです。タッチが柔らかく、振動や衝撃を吸収してくれるので、身体に優しいガットです。
■『NHK趣味どきっ! 現代テニスで再デビュー ラク楽“エース”を決めよう』より

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