テニス観戦をよりおもしろく! 試合前はここに注目

錦織圭(にしこり・けい)選手の活躍で、日本ではテニスが注目されています。地上波でテニスの大会が放送されるようになり、久しぶりにテニスの試合を見た人も多いのではないでしょうか。知っておくとさらに試合観戦が楽しくなるポイントを元プロテニスプレーヤーで、現在はワールドジュニア日本女子代表監督を務める神尾 米(かみお・よね)さんにうかがいました。

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■試合の前に見ておきたいポイント

試合を観戦するとき、ボールのゆくえを目で追うだけではなく、たまにはどちらかの選手だけに注目してみるのも面白いです。相手が打つときにどんなことをしているのか、どうステップを踏んでいるのかなどを見ると、自分のプレーの参考になりますよ。
また試合そのものではなく、コート上で選手がどうしているのかを見るのも楽しいものです。まずはウエア。各メーカーは、グランドスラムに合わせて新作を用意してきますから、どんなウエアを着ているのかも楽しみの一つですね。あとはどんなものを持っているか。バッグについているアクセサリーを見るのも楽しいものです。
それからコートに入場してきて、どちらのベンチに座るか。席が決まっているわけではないのですが、日本人の感覚だと、先に入った人が奥のベンチに座るかな? と思いますよね。でもそうとは限りません。選手がどちらのベンチに座るかもチェックしてみてください。
 

■選手がコートに入ったらどこを見る?

また試合前の5分間ウォーミングアップ。女子の場合、どちらからボールを打ちはじめるかでけん制し合ったりします。強気な選手は、ぜったいに自分から打ちたがります。でも隙をつかれた瞬間、相手に先に打たれて悔しそうにボールを捨てる選手もいますよ。逆に、アナ・イワノビッチ選手は、1球だけボールをもらったらそのままポケットに入れて、相手から先に打たせています。そこは各選手、ぶつからないように工夫をしていますね。
コートチェンジのときも、譲らない選手がいます。ネット際ですれ違うときに、どちらも譲らず、ボンっ!とぶつかってしまうこともあって、これはハラハラします。
コーチと選手のコミュニケーションを見るのも楽しいですね。ノバク・ジョコビッチ選手は、よくコーチと話しています。「靴が滑るんだ!」などと文句を言っていますが、コーチ相手にストレスを発散する人は多いですよ。セリーナ・ウィリアムズ選手は、負けそうなとき、泣きそうな顔をしてコーチの顔を見ます。
また、コーチ自身を見るのも楽しいです。マイケル・チャンコーチは、錦織選手がミスしたとき、「いいぞ! 気にするな、よくがんばったぞ!!」と言っているかのように拍手をしたりします。どんなふうに自分の選手を応援するのかにも性格が出るようです。
試合ではスーパープレーを生み出すトッププロですが、その素顔を垣間見ると、とても親近感が湧きますよ。
■『NHK趣味どきっ! 現代テニスで再デビュー ラク楽“エース”を決めよう』より

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