豪華に開花 西洋シャクナゲ

西洋シャクナゲ‘舞娘’。
豪華で美しい花色や花姿、常緑の青々とした葉色とのコントラストが見事なシャクナゲ。新潟県立植物園の倉重祐二(くらしげ・ゆうじ)さんに、西洋シャクナゲの由来と特徴を聞きました。

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■西洋シャクナゲの来た道

シャクナゲは、約300の野生種がアジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布します。日本にはヤクシマシャクナゲやホンシャクナゲ、ホソバシャクナゲなどが自生します。
シャクナゲの原種はプラントハンター(植物採集家)によって、ヒマラヤや中国からヨーロッパにもたらされました。導入初期の19世紀半ばから、イギリスを中心に品種改良が盛んに行われ、これまで5000を超す園芸品種が作出されました。
これらの欧米で改良された大輪で華やかなシャクナゲは、明治後期にイギリスから初めて日本に輸入され、以降「西洋シャクナゲ」と呼ばれています。

■暑さに強くなったシャクナゲ

シャクナゲの原種はもともと高山の冷涼な環境で生育しています。また品種改良も夏期が冷涼なイギリスやアメリカなどで行われてきたため、日本の暑い夏には弱い品種が多く、栽培が難しいといわれてきました。
しかし最近では、比較的暑さに強い屋久島原産のヤクシマシャクナゲや、日本で作出された品種、また、海外の品種でも暑さに強いものが選ばれて生産されています。
■『NHK趣味の園芸』2015年5月号より

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