“熱血親分”小松英樹九段が指南! 「盤上の価値」の見極め方

撮影:小松士郎
4月からNHK Eテレ「囲碁フォーカス」の司会を務めるのは、棋士の小松英樹(こまつ・ひでき)九段と、戸島花(とじま・はな)さん。2年目となる戸島さんは、何としてでも初段になると、情熱を燃やしています。番組内の囲碁講座では、石の強弱をもとに盤上の価値を判断する方法を学びます。まずはお二人の対談をお届けしましょう。

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昨年の4月から1年間、宮崎龍太郎七段、水間俊文七段、宋光復九段というそうそうたる講師陣に教わってきた戸島花さん。講師の皆さんが「すごく強くなった!」と口をそろえるように目覚ましい上達ぶりを見せましたが、惜しくも初段到達はなりませんでした。
昨年末には囲碁大使に就任し、「初段になれなかったら、NHKと日本棋院の門をくぐれません…」と背水の陣の覚悟?の戸島さん。4月から講師を務める「熱血親分」こと小松英樹九段は、「戸島さんを必ず初段にしてみせます」と自信満々の様子。
戸島「先生、初段になるにはどうしたらいいんでしょうか!?」
小松「私はこれまで、アマチュアの皆さんの碁を数多く見てきました。特に、なかなか初段になれない方の碁を見て感じたのは、基本となる常識が身に付いていない、ということですね」
戸島「常識ですか? あの、私、これまで定石とか、覚えることはあまりやってこなかったんですが…」
小松「無理に覚える必要はありません。例えば定石ですが、覚えるものではなく自然に身に付くものなのです」
戸島「自然に? どうやってですか?」
小松「これからお伝えしていく、盤上の価値の見極め方さえ身に付ければ、打つ手は自然に決まってくるのです」
戸島「盤上の価値の見極め方、ですか?」
小松「言葉を換えれば、石の強弱をきちんと判断すること、です。『生きている石の近くは価値が低い』。これだけです。逆に言うと、『弱い石の近くがいちばん価値が高い』。簡単でしょ?」
戸島「石の強弱判断…。これだけなら、私でもできそう…。私、接近戦が苦手なんです。この判断方法を身に付ければ、接近戦も強くなれますか?」
小松「もちろんです。あと、先ほど定石は覚えるものではないと言いましたが、基本的なものを、星と小目でそれぞれ10個くらいは身に付けておきましょう」
戸島「覚えるのは苦手です…」
小松「大丈夫。盤上の価値が判断できれば、すぐに身に付きます。まず最初の2か月は、定石の選び方を通じて盤上の価値の考え方を学んでいきましょう。そのあとに接近戦、そして布石でのコツもお伝えします」
戸島「はい! 初段になるために頑張ります。よろしくお願いします!」
これから6か月間、熱血親分の熱い言葉に耳を傾けて、戸島さんと一緒に楽しく「盤上の価値」を学んでいきましょう!
■『NHK囲碁講座』2015年4月号より

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