やってはいけない! ジャガイモ栽培4つのNG

初夏の大収穫をめざして早速植えつけを始めましょう。
ジャガイモは、春の菜園で最初に栽培を始める野菜の一つ。あまり手間がかからず、病害虫にも強くて育てやすい野菜ですが、確実に収穫するためにはいくつかのポイントがあります。恵泉女学園大学人間社会学部教授(生活園芸、野菜園芸学)の藤田智(ふじた・さとし)さんがやってはいけない4つのNGを教えてくれました。

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「初心者でも失敗しにくい」と言われるジャガイモですが、次の4つのポイントを押さえておかないと、うまく育ちません。大収穫をめざすためにも、しっかり覚えておきましょう。

■1 切り口の処理をしない

タネイモが小さい場合や、大きくても育てたい株数が少ない場合は、そのまま植える。タネイモが大きくて育てたい株数が多い場合は、1片30〜40gに切り分けるのがおすすめ。切り分けたタネイモの切り口は、何らかの方法で処理する必要がある。これを処理をせずに植えつけると、切り口から病原菌が侵入して腐ってしまう。

■2 タネイモに肥料が触れている

藤田流では、溝を掘って30cm間隔でタネイモを植えつけ、タネイモとタネイモの間に完熟牛ふん堆肥(たいひ)と肥料を置く「置肥(おきひ)」で育てる。このとき、タネイモに化成肥料が触れると「肥料やけ」を起こすので注意が必要。肥料の作用でタネイモの中の水分が出てしまい、新しいイモを作ったり、イモを太らせたりすることができなくなる。有機物で肥料の含有量が少ない堆肥(たいひ)は触れても大丈夫だが、肥料には気をつけよう。

■3 土寄せをしない

ジャガイモの場合、新しいイモはタネイモよりも地表に近いところにできる。イモが太るスペースを十分に確保するために、2回に分けてたっぷりと土寄せを行おう。土寄せを行わないと、イモが地表に露出して緑色になり、食用に適さなくなる。土寄せをすると高畝(たかうね)になるので通気性と水はけがよくなり、イモの腐敗を防ぐ、根が張るスペースが広くなって生育がよくなり、株が倒れにくくなる、などのメリットもある。

■4 芽かきをしない

ジャガイモのイモは、茎から伸びる地下茎(ちかけい)の先にできる。ジャガイモの場合、地上部の茎を「芽」と呼び、これをかき取る作業を「芽かき」と言う。1株から収穫できるイモの総重量はほぼ一定のため、芽かきを行わずに芽の数が多いまま育てると、イモはたくさんできるが粒が小さくなってしまう。調理しやすいサイズのイモを収穫するには、芽の数を1〜2本にする必要がある。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2015年3月号より

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