年をとると脳は衰えるの?

イラスト:前田はんきち
年をとるほど脳は衰えていく。脳に対して、そんなマイナスのイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。しかし、諏訪東京理科大学共通教育センター教授の篠原菊紀(しのはら・きくのり)さんは「じつはこれ少なくとも半分は間違っている話なのです」と指摘します。

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■Q 年をとるの脳は衰えるの?

A:いいえ、それは半分はうそ。衰える傾向にある知能もあるけれど、その反対に伸びていく知能もあります。
脳には大きく分けて2つの能力があります。そのひとつが流動性知能。新しいことを覚え、新しい環境に適応していくのに必要な記憶力などの能力です。こちらは個人差はありますが18〜25歳くらいがピークといわれ、確かに年齢とともに衰えていく傾向があります。
けれど、もうひとつの能力、結晶性知能、こちらは簡単にいうと知恵や知識や経験のことを指します。この知能は年齢を重ねるほど、人が生きているかぎり蓄えられ増えていきます。そして、統括性知能といわれる、人を率いたり仕事をまとめたりするのに必要なマネジメント能力なども40歳、50歳と経験を重ねて伸びていきます。つまり、脳には年齢を重ねることで成長する側面が多々あるのです。むしろ人の脳は年をとればとるほどよくなるといってもよいでしょう。
■『NHKまる得マガジン 頭と身体を健康に! イキイキ脳トレ体操』より

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