地方移住は「自己内利益」で決断すべし?
- 『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)』
- 木暮 太一
- 講談社
- 929円(税込)
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"どこか南の島に住んで、あくせくすることなくストレスフリーで暮らしたいなあ..."
"都会暮らしにも疲れたし、いつかは田舎暮らしをしてみたい"
都会に暮らす人なら誰しも1度は抱く、そんな願望。とはいえ現実問題として「都会より生活レベルが下がってしまうのでは?」「そもそも移り住んだ先で仕事はあるのか?」といった"お金"にまつわることがネックになり、現状に不満を感じながらも、結局は都会に住み続ける方がほとんどなのではないでしょうか。
そんな方におススメしたいのが、本書『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』。著者の経済ジャーナリスト・木暮太一さんは、『カイジ「命より重い!」お金の話』(サンマーク出版)や『ずっと「安月給」の人の思考法』(アスコム)など、お金についての著書も多数執筆し、フジテレビの情報番組「とくダネ!」のコメンテーターとしても活躍する方。
木暮さんが提案するのが、"自己内利益"という指標。その方程式とは、「年収・昇進から得られる満足感-必要経費(肉体的・時間的労力や精神的苦痛)=自己内利益」。仮に、日々ハードワークに従事して、年収1000万円を稼いだとします。ですが、その1000万円を得るために、仕事が人生になってしまったり、激務で体を壊したり、精神のバランスを崩したりしては「赤字」になってしまうといいます。
本書では、年収や給与の額面などの「目先のキャッシュ」を追求するのではなく、人生における満足度"自己内利益"を増やすべきだと述べています。
そんな小暮さんが、今月、3月1日に、東京・竹橋にて福岡市が主催する移住促進イベント「地方移住クリエイターサミット2015 in TOKYO」に登場。木暮さん自身も海や山に近い環境を求めて、鎌倉に移り住んだという移住経験者だそうですが、同イベントで彼はこう語っています。
「地方移住というと、お金や仕事の不安を訴える人は多いですが、移住先で生活の充実度・満足度が高まるなら、たとえ東京に比べて年収は下がっても、自己内利益は高まるのではないでしょうか」
その一方で小暮さんは、「通勤ラッシュや東京砂漠のコンクリートジャングルに疲れたから」などの安易な理由、つまりドロップアウトで地方移住しても問題解決にはならないと指摘。その上でこう語ります。
「移住すれば、生活がガラッと変わりますが、そもそもなぜ生活を変えたいのかをきちんと考えるべき。お金・仕事への不安は、どこに住んでも、一生付きまといます。『仕事を通じて、誰のどんな役に立つのか? 』を考えて行動すれば、どこに行っても仕事は見つかる。『誰かの役に立つ』という仕事の原点を忘れないことが、仕事への不安材料を消す、唯一の下準備と言えるでしょう」
木暮さん「もし今の職場や仕事に不満があるのなら、変える準備をしていきましょう」と訴えます。木暮さんが提案するように、"自己内利益"=人生の満足度を高めるために、地方移住も選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。