手軽につくれて健康効果も! ザワークラウトってどんなもの?

ザワークラウト 撮影:吉田篤史
「ザワークラウト」とは、ドイツ語で「すっぱいキャベツ」の意。せん切りにしたキャベツを塩漬けにした漬物で、ドイツをはじめ、欧米で広く食べられてきました。そのおいしさと健康面でのメリットを、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科准教授の前橋健二(まえはし・けんじ)さんに聞きました。

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ドイツでは「国民食」といわれ、冬の間の保存食として欠かせない存在のザワークラウト。フランスではシュークルート、アメリカではサワークラウトとも呼ばれ、幅広く親しまれています。爽やかな酸味は、そのまま食べても肉やソーセージなどと煮込んでもおいしく、いろいろな使い方ができるのも魅力。ドイツでは、昔は冬になると家庭で何十コものキャベツを漬け込んだといいます。
つくり方は、非常にシンプル。キャベツをせん切りにして塩でもみ、スパイス類を加えておもしをのせて漬け込みます。キャベツに付着していた植物性の乳酸菌が繁殖して発酵が進み、食味も少しずつ酸味が増していきます。
これまでに取り上げたぬか漬けやキムチとも共通しますが、ザワークラウトの植物性の乳酸菌は、過酷な環境に強いのが特長。食べたときに胃酸で死滅せずに、腸まで届きやすいといわれています。そのため、腸の菌のバランスを整えておなかの調子をよくする、アレルギー症状を改善する、免疫力をアップするなどの乳酸菌による健康効果がより期待できるのではないかと考えられます。また、乳酸菌には神経や皮膚などの働きを整えるビタミンB群、骨を丈夫に保つ働きをもつビタミンKなどを体内で生成する作用も。さらにキャベツ自体も、もともと免疫力を高めるビタミンC、胃酸の粘膜を健康に保ち、潰瘍を予防するビタミンUなどの栄養素を豊富に含む食品です。ザワークラウトは生のまま食べられるため、熱に弱いビタミンCを効率よくとれるのもうれしいところ。手軽につくれるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
※テキストには料理研究家の井澤由美子(いざわ・ゆみこ)さんのザワークラウトレシピを掲載しています。また、この連載の内容を中心に、発酵食品やきのこのレシピをまとめた『別冊NHKきょうの料理 ヨーグルト!納豆!きのこ! シニアの元気 菌の力でおいしいレシピ』が4月18日に発売予定です。どうぞお楽しみに!
■『NHKきょうの料理』連載「菌食べレシピ」2015年3月号より

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