夫婦棋士トーナメントも白熱! 日本棋院ファン感謝囲碁まつり

見事優勝を勝ち取った林漢傑七段・鈴木歩六段ペア。撮影:小松士郎
昨年11月22日、創立90周年の日本棋院による記念イベントの一貫として、日本棋院ファン感謝囲碁まつりが日本棋院市ヶ谷本院(東京)において開催された。300 名近くの囲碁ファンが、指導碁のほか、お楽しみ囲碁講座や「いい夫婦の日」に合わせて行われた夫婦棋士囲碁トーナメントなど、盛りだくさんのイベントを楽しんだ。

■棋力に合わせて一日中囲碁を堪能!

日本棋院の1階と3階のフロアでは、30名を超えるプロ棋士が午前と午後の2回に分けて多面打ち指導碁を行った。昨年の4月から4か月間にわたり囲碁フォーカスの講師を務めた宮崎龍太郎七段も指導にあたり、カメラを片手に対局を楽しむ囲碁ファンの姿が多く見られた。
そのほかにも、マイケル・レドモンド九段や神田英九段をはじめとした豪華メンバーが指導にあたった。
「定石の使い分け方が大切です」「囲碁は、切るゲームなのです」などといった心に響く教えの言葉が飛び交う中、囲碁ファンも棋士に負けじと質問をぶつけ、和気あいあいと楽しむ様子がうかがえた。

■夫婦棋士囲碁トーナメント決勝

メインイベントは、「いい夫婦の日」に合わせて開催された夫婦棋士囲碁トーナメント戦の決勝戦の公開対局。
8組のペアの中から勝ち抜いたのは、新婚で昨年赤ちゃんが誕生したばかりの林漢傑七段・鈴木歩六段ペアと、「子供はたくさんいます(笑)」という三村智保九段・芳織二段ペア。対局はNHK杯方式で行われ、優勝賞金100万円ということもあり、両ペアとも完全に本気モードだ。
対局開始直後は、すぐ隣で発せられる石田芳夫二十四世本因坊の解説に苦笑いを浮かべる両ペアであったが、中盤にさしかかると全くその声が耳に入らない様子。
対局は、序盤から碁盤の一か所で戦いが始まり、そのまま戦いは全局に及んで最後は白番の林・鈴木ペアが黒の大石をしとめて白中押し勝ちとなった。
鈴木「ペア碁の練習をすることで、すごく碁の勉強にもなりました。棋士と結婚してよかったです(笑)」
三村「勝負のために、初めてケンカをしない努力をしました(笑)。これからも続けていければと思います」
夕方まで続いた囲碁まつりは、それぞれのレベルに合わせて講座や指導碁が楽しまれ、各会場からは真剣な表情だけでなく、笑い声が絶えることもなかった。
級位者・有段者を問わず、一日を通して囲碁を楽しみ尽くせるこのイベント、是非これからも続けていただきたい。
■『NHK囲碁講座』2015年2月号より

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