正しい構えと正しいリズムでゴルフが変わる!

左から大山さん、阿藤さん、伊藤さん 撮影:渡辺義孝
なかなか100を切ることができないというアマチュアゴルファーの方は多いのではないでしょうか。『趣味Do楽 今さら聞けない! ゴルフの基本 〜100を切りたいあなたに〜』では、講師に日本女子プロゴルフ協会(LPGA)副会長を務める伊藤佳子(いとう・よしこ)さんを迎え、シンプルでありながらも効果てきめんのメソッドをお伝えしています。番組をともに盛り上げるのはプロゴルファーの大山志保(おおやま・しほ)さんと、俳優の阿藤快(あとう・かい)さん。まずは収録開始から数日後に行われた3人のトークをお届けします。

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伊藤 今回のレッスンのテーマは、“今さら聞けない! ゴルフの基本”です。阿藤さんは今まで自己流でゴルフをやってこられたそうですが、そういう意味では今回のテーマにピッタリの生徒さんです。数日間、レッスンを体験した感想はいかがですか?
阿藤 いやー、お世辞じゃなくて、本当にためになりました。私は、ほとんど自己流でゴルフをやってきましたが、今回レッスンを体験して、基本の重要性が身に染みてわかりましたね。パターのアドレスからレッスンはスタートしたのですが、アドレスがこんなに大事だと思っていませんでした。ホント、ゴルフをなめていました。なにしろ、パッと構えて、パッと打てばいいんだと思っていましたから。でもそれは、とんでもない思い違いでした。
伊藤 アドレスはすごく大事ですね。アドレスが悪いと正しい始動ができなくなり、その結果インパクトにも狂いが生じてミスショットの原因になります。また、正しくスイングできても、構えの向きが間違っていれば狙った地点と違う方向に飛びます。
実はLPGAが今回のレッスンに協力させていただくにあたり、樋口久子相談役と小林浩美会長からみなさんへのメッセージを預かってきました。お二人からのメッセージは、アドレスに関してです。「アドレスはゴルフにおいて重要な要素ですから、正しい構えを覚えてください。そうすればゴルフが変わります」というメッセージです。
アドレスには日常生活の姿勢が出ます。日頃デスクワークをしている方も多いと思うのですが、デスクワークはどうしても猫背になるため、アドレスも猫背になりがちです。また日頃の歩き方もアドレスに表れ、背中を丸めて歩く方はアドレスもそうなります。背筋を伸ばした日常生活を送られると、アドレスも正しい形で構えられます。
大山 私も、構え方を含めた基本はとても大事だと思います。実は、去年のオフのトレーニングで基本の重要性を再認識し、そのとき“調子が悪くなったときは、基本に戻ろう”と決めました。特にアドレスは重要で、鏡などを見て、基本的なアドレスができているかを常日頃チェックしています。
伊藤 そうそう、アドレスといえば、阿藤さんは今回のレッスンで“おじぎアドレス”を身につけたのですよね。
阿藤 いいネーミングでしょ。ホント、目からウロコが落ちた瞬間「その1」でした。
大山 ほかにも目からウロコが落ちましたよね。
阿藤 パッティングの、右手の使い方もビックリですよ。今までパッティングでヒッカケが多かったのですが、その原因が右手首にあるなんて、自分ではちっとも気づきませんでした。さらにその根本的な原因は、カップに向かってアドレスしていたからだなんて、思いもしませんでした。自己流の限界を感じた瞬間でした。
伊藤 リズムの取り方も、自己流でしたよね。
阿藤 その通りでございます。なにしろ私のリズムは「イチ、ニー、サン、の、イチ、ニー、サン」でしたから。
大山 すごく長いリズムですよね。
阿藤 そうなんです。バックスイングからトップオブスイングまでが「イチ、ニー、サン」、そしてトップオブスイングで「の」と一呼吸おいて、ダウンスイングからインパクトまでが「イチ、ニー、サン」です。しかし、バックスイングを「イチ、ニー、サン」と上げてダウンスイングをそのリズムで振ろうとすると、タイミングが合わない。そこでダウンスイングでは「イッ、ニッ、サッ」とリズムがめちゃくちゃ速くなっちゃう。なんか変だなと思いつつ、なにしろ自己流ですから、今までそれでやってきたわけです。でも、大山プロにリズムを聞いたら、私のリズムとはかけ離れたものだったのでビックリです。
伊藤 そもそもトップオブスイングで「の」と、1回止めてはいけません。切り返しでは“間(ま)”が必要ですが、スイングを止めるわけではありません。ところで大山さんは、どのようなリズムでスイングしているのですか?
大山 私は基本的には、「イチ、ニー、サン」です。アドレスで「イチ」、バックスイングからトップオブスイングで「ニー」、トップオブスイングからフィニッシュで「サン」です。さらにパッティングではアドレスを数えずに、またスイングリズムも少しスローになって、バックスイングからトップオブスイングを「イーチ」、ダウンスイングからフィニッシュまでを「ニーィ」とします。
阿藤 私のリズムと比べると、すごくシンプルですよね。まさにシンプル・イズ・ベスト。私も今回のレッスンでそのリズムに変えました。
伊藤 実はゴルフにおいて、リズムはとても大事です。スイングのリズムが大切なのはもちろんですが、そのほか、ラウンド中のリズム、歩くリズム、ルーティーンのリズムなど、いろいろなリズムが大事なのです。
阿藤 へぇー、そうなんですか。
伊藤 リズムは簡単に崩れます。例えば、OBを打って暫定球を打とうとしたらボールがない。慌ててカートに取りに行き、キャディーバッグから取り出し慌てて打つ。確かにゆっくりと打っていられない気持ちはわかりますが、それでは成功しません。再びミスショットを打って大叩きしてしまうという、負の連鎖に陥ります。そんなときは、あえて一呼吸おきます。一呼吸おいても、時間はほとんど変わりません。「フッ、と軽く深呼吸してから打つ」、それだけで、リズムを崩さず打てます。一呼吸することで、前の悪いことが断ち切れます。
プロはリズムをよくするために、1日の行動をルーティーン化します。練習するペース、歩くペースなど、いろいろなリズムを守ります。そのように1日を毎回同じ流れに沿って行動することで、すべてのリズムが崩れることなく上手くいきます。
■『NHK趣味Do楽 今さら聞けない! ゴルフの基本 〜100を切りたいあなたに〜』より

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